Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

標高差1400メートルを登り下り 【甲武信岳】その1

 

晩秋の奥秩父、甲武信岳に登る。

ルートは我が家から行きやすい西沢渓谷から登るルートを行く。

標高差は1400メートル近い。

果たして登れるのか。

さらに続けて大菩薩にも行こうというのだから年寄りにはちょっとハード。

ちょっと不安な気持ちでの出発。

まあ、無理なら途中で引き返そう。

 

寒さが身に沁む

10月22日土曜日、朝5時半にスーパーカブで家を出発。西沢渓谷を目指す。

この時期はまだ路面凍結していないので安心して走ることができる。

しかしである。

寒い。風が冷たい。

 

バイクウェアとして、登山するときのウェアの上にプロテクター入りのバイクジャケット(夏用メッシュ)を着て、その上にL.L.Beanの裏地のないパーカを着る。


下は、サポートタイツにサイクルニッカが今回の登山スタイルで、その上に膝と脛のプロテクターをマジックテープで止める。これは自転車用に買ったものだが、MTBごと階段から落ちた時にしっかり守ってくれた実績がある。それだけではなく、防寒にもなる。

 

プロテクターの上には先日購入したモンベルのライトシェルパンツを履く。このパンツにはクリマプラス・メッシュがライニングされている。軽量かつコンパクトになるパンツだ。

 

以上のような出で立ちで出発したわけだが、もう走り初めから冷たい風が身に染みて来た。

 

そういえばグローブは昨年ワークマンで買った裏起毛のもので、ちょっと暑いかなと思いながら嵌めて来たものである。もちろんバイクにはハンドルカバーを取り付けてある。

 

それなのに手の甲でさえ肌寒く感じるくらいなのだった。

 

寒さに耐えきれず、相模湖手前の三ヶ木(みかげ)のコンビニにバイクを停めて、上下ともレインウェアを着た。

 

すごい。これで服からの風はシャットアウトできた。

 

今後の課題。首回りの寒さを防ぐこと、足首から入る風を防ぐこと。

 

 

到着

冷たい風に耐えながら、9時半に西沢渓谷入り口の道の駅みとみに到着した。

ここにバイクを停め、登山支度を整えて9時40分に歩き始める。

 

道路を渡って西沢渓谷に続く道に入り少し行くと車止めのゲートが見える。10時ちょうどにこのゲートの横から向こう側に抜ける。

 

15分ほど林道を歩くと広場があり、そこにトイレやベンチ、小さな神社の祠などがある。そしてそのわずか先に今回登る甲武信岳の近丸新道登山口があった。

 

今回もバイクなので同じ地点に戻ってくる。通常は登りと同じ道を下るのだが、ここにはもう一つ徳ちゃん新道というルートが付けられている。せっかくなら別なルートを通りたい。だから下りはこの徳ちゃん新道を通る予定である。

 

この登り口で外国人カップルに英語で道を尋ねられた。こんなとき、ペラペラと英語で答えることができればカッコいいのだが、残念ながらそうはいかない。

 

とりあえず、どこに行きたいのか確認する。「ホウェア?」。

 

通じた。女性が西沢渓谷のパンフレットを見せた。登山するのではないことがわかる。

 

真っ直ぐを指差して「ストレイト」。

 

たったこれだけである。その後何か言われたがよくわからない。なんとなく「お前はどこに行くのか」と言われたような気がして、日本語で「ワタシハ、コッチ」と言うと、笑って行ってしまった。

 

 

登山開始

 

登山口からの道はいきなりの急坂で面食らう。そこを越えるとなだらかな道が続いていた。そこに右からの道が合流していたので、どうやら手前から登る道があったようだ。

 

近丸新道はヌク沢に沿って付けられている道である。沢は遥か下、滑って落ちたら大変だ。

 

ただし斜面につけられた道はほとんど起伏がなく少しずつゆっくりと上っている。周りの木々はほとんどが広葉樹でブナの仲間たちである。

 

いきなりの急登

 

ずっと下に沢が見える

今日は時間との戦いだ。明るいうちに小屋に着いてテントを張り、それから甲武信岳に登ってこようというのである。だから、平坦な道では急足で歩いていた。

 

登山道が沢沿いから少し離れて登りに差し掛かったところでストックの長さを調整していたら、後ろから来た人に追い越された。自分ではかなり早く歩いていたつもりだったのでちょっとびっくりした。

 

ふたたび道が沢沿いになった時、トロッコ鉄道の跡だろうか、朽ち果てた軌道が残されていた。その先に木とコンクリートでできた小さな倉庫のような建物がやはり誰にも使われずに残されていた。

 

朽ち果てた軌道

 

ちょうど11時にヌク沢を渡る。沢を越えて少し下流に行ったところで登山者がザックを下ろして休憩していた。

 

これから向かうのは特ちゃん新道との合流点。特ちゃん新道は合流点からそのまま戸渡尾根へと続いている。

 

ヌク沢を越えるとこの尾根に向かって山原を上っていく。といっても尾根道で明るい道だ。しかし全体的に急勾配である。                                          

 

こうした地形は地形図を見てわかっていた。けれど地図ではわからないこともたくさんある。

 

近丸新道は一般的なルートではないため、登山道は整備されているとは言い難いワイルドな道である。

 

ただし、いたるところに標識がつけられており、安心して進むことができた。そして標識に添えられている絵がかわいくて、それが元気を与えてくれる。

 

また、登り始めるともみじなどの赤い葉がたくさん落ちていた。その中にどんぐりが混じっている。ミズナラのようだ。そればかりではなく栗のイガも落ちていた。

 

こんな標識があちこちに

 

さまざまに紅葉した落ち葉

 

 

上に登るにつれてすれ違う下山者が多くなってくる。日帰りの人たちなのだろうか。

 

 

戸渡尾根

徳ちゃん新道との合流点

12時頃、シャクナゲの葉のトンネルを抜けると展望が開けた。左手に三角の山が見える。スマホのアプリで調べると黒金山とあった。その左側に以前登った乾徳山がある。

 

シャクナゲのトンネル

 

黒金山

それから数分で徳ちゃん新道との合流店に到達する。コースタイム2時間40分のところを2時間弱で踏破した。

 

ここで昼にする予定にしていたが、すでにそこでは大勢の登山者が昼食を作って食べていたため先へ進んだ。しばらくシャクナゲに囲われたところが続く。両側は谷になっていて名前の通り狭い尾根を渡る道だった。

 

12時35分頃にちょっとだけ広くなった場所で昼食を取る。昼食は家で作って来た玄米おにぎりだ。実は3個作って来ていたが、道の駅に着いた時にもう一つは既に食べてしまっていた。残る2つのうち1つだけ食べて12時50分に歩き出す。休憩時間は15分。

 

このとき、二人のパーティーが通り過ぎ、少し離れて合流点で昼食を取っていた人たちが続いていて、8人ほどのパーティーであることがわかった。皆が通り過ぎた後に続く。

 

しばらくは追い越しができないほどの狭い道だが、次第に道幅が広くなり傾斜もキツくなった。道幅が広くなると迷わないようにピンクのテープがあり、ところどころに標識が付けてある。

 

8名パーティが休憩したところで前に出る。

 

植生が変わり、コメツガが主体の森になっていた。

 

 

つづく。

 

 

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