鎌倉にお気に入りのお寺がある。
材木座にある浄土宗の大本山で光明寺という。
立派な山門を潜ると正面に本堂があり、その横手に美しい庭園がある。
庭園には蓮池があって、本堂から開山堂への渡り廊下がこの池の淵を通っている。
この渡り廊下あるいは渡った先の開山堂の縁側に座って蓮池を眺めるのが大好きだ。
そういえばしばらく行っていないな。
ロードバイクに乗って久しぶりに行ってみよう。
フラペは回しすぎに注意
ロードバイクもしばらく乗っていなくて最近やっと乗り始めた。
ビンディングが外れなくて立ちゴケしてから1年になる。その後数回ビンディングシューズで乗ってみたが、どうもあのときのことが頭をよぎる。
幸い大怪我はしなかったが、骨折して手術した肘を再び打ちつけて傷跡から血が出たり、足首や腰を捻って治るまでに1ヶ月くらいかかった。
立ちゴケしないためにスタンディングを練習してみたけれど、いまだにできない。
それならばと開き直ってフラットペダルで乗ることにしたら、立ちゴケの心配がなくてストレスフリーだ。
ただ、スニーカーで乗るとサドルが遠くなってしまった。そこでサドルを下げてみることにした。
正確に測ってはいないが、だいたい2センチくらい下げてみたらちょうど良さそうだ。ビンディングシューズの厚さを考えると、これまでが少し高すぎたのかもしれない。
そんな感じで走り出すと、ペダルを回すのがとても楽に感じた。
ただ、あまり早く回すと(それほど速くはないけど)ペダルを掴みきれなくて外れてしまった。
なるほど、だから早く走るためにビンディングシューズなんだなと変に納得した。
湘南の海岸沿いに走る
快晴の空の下、旧道を南下する。国道1号線に出る手前に銀杏並木があり、銀杏がこぼれ落ちていた。もうすっかり秋だ。
相模川を渡り、レッドバロンのある交差点から海に向かう。行きはレッドバロンが道の反対側なので中が良く見えないが、帰りに通るときはいつもガラス越しに中を覗いてさまざまなバイクを眺めて楽しんでいる。
海沿いの134号線に入り、いつもの生しらすの店を横目に見ながら鎌倉を目指す。
134号線の海側には防風林があり、その向こう側にはサイクリングロードが走っている。けれど、大抵あちこちに砂が積もっていて、タイヤ幅が細いロードバイクでは砂に埋もれて走れない。
しかし、この134号線は緩やかなアップダウンはあるが、ほぼ平坦で道幅もあるので走りやすい。自分では結構スピードが出ていると思っていると、後ろからスッと追い抜いていくローディーがいたりする。そんなときは、すげぇなあと感心して決して追いかけたりはしない。
この日、平日の昼間なので車の通りが少なく、なおのこと走りやすい。
快調に江ノ島を過ぎ、鎌倉に近づいていくとだんだん車が渋滞し始めた。やっぱりいつきてもこの辺りは渋滞するようだ。
仕方ないのでこちらもゆるゆると進んでいく。
七里ヶ浜のコンビニの広い駐車場はいつ来ても車が満杯で大人気だ。海ではたくさんのサーファーの姿が見える。いい波も来ているようだ。
以前は苦しかった稲村ヶ崎の坂もなんなく登っていく。これは軽いロードバイクのおかげである。後からStravaをみてみたら、この坂をぼくが登った時間の半分よりもさらに早く登る人がいた。時速50数キロだ。ぼくには平地だってこんなスピードは出せない。
稲村ヶ崎の坂を一気に下るとその先は由比ヶ浜になる。
通りを歩く人たちを見て、ふと高校時代を思い出した。フォークソング部というのに入っていて、仲の良い部員たちといっしょに鎌倉を歩いたっけ。もちろん女の子もいた。そういえばあのとき由比ヶ浜まで歩いてきたっけ? だいぶ記憶が薄れてしまった。
光明寺でピアノ演奏を聴く
由比ヶ浜から材木座海岸になった。さて、どこから入ったっけ。いつもテキトーなので道を覚えていない。逗子の海岸に出るトンネルに入ってしまっては行き過ぎだ。
トンネルの手前で左に入ると、中学生がぞろぞろと歩いている。工事中の看板が立っていてこの先は通行止めになっているらしい。警備の人がやってきて、トンネルは通れないが中学校の方には行けると教えてくれた。
ならば行ってみよう。フロントギアをインナーにして坂道を登り、通行止めの手前を左に行くと山の上に中学校があった。すごいところにあるものだ。しかし、ここなら津波が来ても大丈夫かな。
そんなひっそりとした道なのだが、後ろから車が上がってきた。鎌倉は山の上にまで住宅がある。けれどここは造成してはおらず、山と共存している感じだ。
少し行くと、バルコニーのようなものが崖の上に作られている。あ、ここ知ってる。光明寺の裏山の展望台だ。
台の上にあがると、だいぶ傾いた太陽が海に反射して眩しい。3時半を少し回ったところだ。
登ってきた道はこの先で行き止まりになった。少し戻り、薄暗い森の道に入っていくと細い道がジグザグに下まで続いていた。
バイクを押しながらではなく、下に落ちて行かないように抑えながら下まで降りると、光明寺の山門脇にでた。
山門から向こうを見ると、本堂全体が工事用の布に覆われている。保存修理工事が行われていた。
山門をくぐり近づいていくと、間隔をおいた工事のカーンという響のなかに、なにやらピアノの音が聞こえてきた。どうも生っぽい。なかなかいいじゃん。境内の真ん中にあるベンチに座ってしばらくピアノ演奏を聴いていた。
1曲聴き終えて音の方に近づいていくと、朝香智子「昼下がりの時悠耳感」とある。どうやらライブ演奏を撮影をしているようだ。
家に帰ってから調べてみると、あった。
少し前の動画だけど、きっとこんな感じでやっていたのだろう(中は覗かなかったので)。
数年前からこのお寺で演奏会を開いているらしい。久しぶりの光明寺、すてきなピアノ演奏まで聴けてラッキーだった。これからもちょくちょく来て、またピアノ演奏も生で聴きたいと思った。
最後に
光明寺では補給食でエネルギーを充填し、日が傾き肌寒くなってきたのでジレを着て(といっても安物。ただ、反射板付き)、トイレもお借りして万全の体制で帰路についた。
もちろんライトの充電もバッチリである。
ありがたいことに天気がいいので日が落ちるまでは結構明るかった。
前を行く人を一人追い越したが、別な方に追い越され、いつも寄るコンビニでチョコモナカを食べて帰った。
サドルの高さはちょうどいいようで、お尻の痛みはかなり軽減された。
この日の走行距離は54キロ。移動時間2時間28分だった。もっと長い時間走ると痛くなるかもしれない。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、このへんで
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