話が弾んでいつまでも終わらない会話って楽しくてあっという間に時間が経っていたりします。
反対に話が噛み合わずにすぐに途切れてしまう会話もありますね。
今回は、意図したように会話ができるようになるために、会話の仕組みについてお話します。
【目次】
会話ってちょっと苦手、話が噛み合わずに嫌な気持ちになることが多いと感じている、相手の言葉にすぐに感情的になってしまうという方にぜひ知っておいていただきたいことをお伝えします。
これを読めば、きっと会話がぐっと楽になるはず。
はじめに解決の方法から。
会話とはどういうものかがわかれば対策がとれます。
そのためにTA(交流分析)の技法が使えます。
人それぞれに違う心の状態
相手との会話(対話)について理解するために、前提としてこれだけは覚えて欲しいことがあります。
それは、人それぞれが持っている心の状態についてです。
これからお話しするのは交流分析の技法です。
わたしは50歳から大学で心理学を学び、その後に交流分析と出会いました。
交流分析はとても分かりやすく、生き方の指針を示してくれるだけでなく、現在困っている問題を解決するための技法まで用意してくれているという、全てが揃った役に立つ心理学といえます。
そのことに気づいて職場でこれを活用し、現在はTAインストラクターです。
親、成人、子ども
心はその人が持って生まれたものと成長する環境やその過程で作られたものですが、交流分析では、ひとりの人の中には3つの心の状態があると説明しています。それはその人の行動から見てとることができます。それは、
1 親のような心の状態
2 成人のような心の状態
3 子どものような心の状態
の3つです。
親のような心の状態とは、相手を批判したり非難する態度や、同情したり保護するような態度を取るときの状態で、これを親の自我状態にあると言い、ペアレント(P)で表します。
成人のような心の状態とは、冷静、客観的に物事をしっかり考えたり感じたりしてるときの状態で、これを成人の自我状態といい、アダルト(A)で表します。
子どものような心の状態とは、喜んだり拗ねたり、まるで子供のようにはしゃいだりしているときの状態で、これを子どもの自我状態にあるといい、チャイルド(C) で表します。
ここまでが前提として理解しておいていただきたいことです。
この自我状態を使って相手との対話を分析していきます。
いま相手との間で起きている会話という刺激と反応を見える化して、理解しやすくします。
会話が弾む時ってどんなとき
ちょっと考えて見ましょう。会話が弾む時ってどんな時?
たいていはこう話したらきっとこう返ってくるよね、みたいに、相手から期待した返事が返ってきた時は気持ちがよく、そして会話が弾みます。
たとえば上司が部下に
「この書類、明日までに仕上げておくように」と言うときに期待する返事は
「はい、わかりました」ですね。
これを自我状態から見てみると、上司の刺激は、親(P)の自我状態から相手の子ども(C)の自我状態にベクトル(矢印)が向います。部下の反応(返事)は、子ども(C)の自我状態から親(P)の自我状態に向けて矢印が向かいます。
図にすると
交流分析ではこうした二人の会話(やりとり)を見える化して矢印で表します。
上の例は会話が弾むとはいいませんでしたね、では、こんなのはどうでしょう。
A「うわーこの猫めっちゃかわいい」
B「ほんとーインスタにあげちゃお」
なんていうのはお互いがC同士ですね。
図にするとこんな具合です。
どうですか?
図にするとわかりやすいですね。
このように矢印が平行に行き交うことを「相補交流」といいます。
会話が途切れてしまうのはどんなとき?
では、会話が途切れてしまうのはどんな時でしょう。
それは、期待と違う結果が返ってきた時ですね。
じつはこの期待というのはお願いしたことに断られる場合でも、投げかけた自我状態から帰ってくるかどうかによって大きく異なります。
たとえば、
「山田くん、急ぎの仕事があるのだけど頼めないかな」と上司が部下に言ったとします。
部下1「そんなにいっぺんに頼まれてもできるわけないじゃないですか」というのと、
部下2「申し訳ありません。今、この前頼まれた仕事があります。もし、こちらの期限を延ばしていただけるならお引き受けします」というのでは上司が受ける感情は大きく異なり、お互い嫌な思いをしなくて済みます。
これを図にしてみます。
というように、後者の受け答えではA→A、A→Aとなっているのに対し、前者の場合はA→A,P→Cとなり、図では交差しています。
こうした交流を「交差交流」と言います。
交差交流の場合、会話が中断してしまいます。
けれど、会話を中断したい時に使えばうまく会話を止めることができます。
裏面交流
このほか、実際の会話の裏で交わされる「裏面交流」というものがあります。
たとえば、
「お隣さん、車買い換えたみたいだね」と奥さんに話しかけた時、奥さんは、
「そうね、ずいぶん高そうね」
このとき、夫の心のうちは『うちの車もそろそろ買い換えたいな』と考え、奥さんは『買い換えるお金なんかないわよ』と思っていたりします。
これを図にすると
というようになり、心の声を点線で表します。
大人の対応
最後に、こんなケースはどうしたらよいでしょう。
遅くなって帰ってきた娘に向かっていきなり父親が言います。
「こんな遅い時間までどこで何をしていたんだ」
さて、これに対して娘はどう答えればいいのでしょう。
たいていは頭に血が上り、「うるさいわね、わたしの勝手でしょ」とか言いたくなりますね。
でもそれは、P→Cに対して、同じくP→Cに向かって反応しています。
ここは、Aを働かすことができたら大人ですね。
つまり、P→Cのときは、一旦C→Pに向かって返事をする。
だからまず「ごめんなさい」と言って謝る。
そのあと「今まで起きていてくれたの?心配してくれていたのね、心配かけてごめんなさい。これからは遅くなるときは連絡します。でももう大人だからそんなに心配しなくて大丈夫だから」
と最後にA→Aで言いたいことを添える。これができたら大人の対応ですね。
TAについて
TAは Transactional Analysis の略で「交流分析」と訳されています。
TAはアメリカの精神科医エリック・バーンによって提唱されました。
バーンは治療に訪れる患者を観察していて、患者が3つの別人のような状態に区分できることを見つけました。そうして表情や態度、言葉づかいなど観察可能なデータから自我状態のモデルを完成させました。
今日紹介した自我状態の分析、やりとり分析のほかに、ゲーム分析、脚本分析、ストローク理論、人生態度の理論、時間の構造化理論などがあります。
ここにTAの基本的な考え(哲学)を紹介します。
人は誰でもOKである。
人が誰でも考える能力を持っている。
自分の人生は自分自身が決め、そしてその決定を変えることができる。
というものです。
他人を認め、そのうえで自分の決めた人生を歩んでいけたら素晴らしい人生になると思いませんか。
興味のある方は、日本交流分析協会のHPもどうぞ
お求めやすい薄い本です。
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
自分の自我状態を知り、相手の自我状態が分かれば世の中を客観的に眺めることができますね。
そうすると、感情的に反応することがなくなって、相手がそのような行動をとった理由も冷静に考えることができるようになります。
そして、相手の期待を裏切らない自我状態から会話を返すようにすることでお互いに不快な感情をもつことが大幅に減ることと思います。
ぜひ、試してみてください。
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