Hakuto-日記

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森の懐に抱かれて 【宮之浦岳と縄文杉】その2

屋久島2日目。10月7日(土)。

いよいよ宮之浦岳を目指して山に入る。

心配なのは天気。

予報では、翌日は大雨とのこと。その後翌々日も、となる。

状況によっては登頂できない可能性もでてきた。

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荒川登山口から縄文杉トレッキングコース(1日目)

向こうに見えるのは種子島?

荒川登山口に行くには、屋久杉自然館で荒川登山口行きのバスに乗り換えることになっている。ぼくは5時過ぎに(空港には止まらないため)塩の道バス停からバスに乗った。

 

これで行けば、自然館を5:40発のバスに乗り継げるはずであったが、なんと満席で、ぼくを先頭にして5、6人が乗り切れなかった。それで次に戻って来たバスに乗り、6時過ぎになってようやく登山口に向けて出発した。

 

待っている時に、右側の座席に座ると海が見えるとバス会社の関係者が話していたのでその通りに座る。しばらくすると薄明かりの中、木々の間からぼんやりと海の上に浮かぶ種子島が見えた。

 

道は狭く、あちらこちらで修復工事が行われ、崖崩れの爪痕が見える。大雨が降ったら危険であることがよく分かった。

 

山道をいくバスの車内で写真を撮っていたら、なんだか気持ちが悪くなって来た。写真を撮るのをやめて大人しく前を見て座る。

 

狭い道を走るバスは、荒川三叉路で右に折れて町道荒川線に入る。曲がらずにまっすぐにいくと屋久杉ランド、そして当初予定していた紀元杉バス停に行く。

 

バス酔いを我慢していると、約35分で荒川登山口に到着した。広場の端に立派な待合所、隣に別棟のトイレが建っていた。

 

待合所で少し休むとだいぶ楽になって来た。ここで水を汲もうとしたが、トイレの手洗い場の水は飲料不可となっていた。ただ、宿でペットボトル1本分は水を詰めて来ていたので問題はない。

 

バスが一回りできるくらいの広場のさらに向こうの方にはトロッコのレールが敷いてあり、小屋には古いトロッコが仕舞われていた。

 

荒川登山口

安房森林軌道

 

6時50分、いよいよ縄文杉、そしてその先にある新高塚小屋に向かって歩き出した。他の皆は先に出発してしまったので、ぼくが最後だった。

 

左側に川を見下ろして少しいくと橋があって、そこを渡ってしばらく安房川の右岸を歩いていく。

 

初めはたった一人取り残されて寂しい気分で森を歩いていた。やがて前方に先行者が見えるとどんどん距離が近づいていった。

 

最初の橋

 

先行者は先頭がガイド、後の二人がお客さんのようだった。ガイドが説明をしながら歩いているのですぐに追いついてしまうのである。

 

次に現れたのは女性3人組。お揃いの格好をしていた。ガイドが立ち止まって崖を見上げながら説明している横をすり抜けていった。

 

左側の崖からは清水が滴っていて、森が水を湛えているのがわかる。トロッコ道はその先も小さな沢をいくつも越えていく。木々は森を作りその根は土をしっかりと捉える。土は雨水を溜め込み、溢れた水が沢となって広い川に注ぐ。

 

安房川支流

トロッコ道のトンネル

小さな沢をいくつも越えて

清水の滴り

トロッコ道は軌道の中心に板が敷かれていた。幅が狭いのでストックを突くときはレールと板の間の砂利の上に突くことになる。このためストックを突きながらは歩きにくかった。最終日に歩くときはストックをしまって歩いた。

 

7時25分、小杉谷橋を渡る。この辺りに部落があり、小学校、そして中学校まであった。おそらく屋久杉を切り出す林業に携わる人たちが住んでいたのだろう。

小杉谷橋

小杉谷小中学校跡

当時の様子

この辺りから切り出した切り株にほかの樹木などが着生している様子が見られる、ということが書かれた案内板が立っていた。つまりこの先から木々を切り出していたことになる。

切り株に着生

そしてこの辺りから前方をいく大勢の人たちが見られるようになる。

 

7時55分、楠川歩道入口に到達。案内板には「楠川分かれ」と書かれていた。ちょうどそこで数人の女性たちが写真を撮っていた。

 

この少し先の右手にトイレがあり、そこで2、30人くらいの人がトイレに並んでいた。左側にも10人ほどにハイカーが休憩していた。

 

とりあえずトイレは大丈夫だったので、このトイレに並ぶ集団を追い越していった。

すぐに三代杉があった。一代目の上に二代目が育ち・・・というふうになっていると書かれていたが、一代目は空洞になっていてよくわからなかった。

 

苔がきれい

まるで杉並木

三代杉

その先から次第に道は右に左にくねくねとうねり出す。この辺りまで来ると、歩くスピードが同じグループと前になったり後ろになったりしていく。グループというのは大抵二人から4、5人くらいまでで、そのグループそれぞれにガイドが一人ついている。

 

つまり、グループの数だけガイドがいることになる。ぼくと歩調が合うグループは30代くらいの女性のガイドだった。

 

 

大株歩道入口から縄文杉へ

くねくねと曲がりながら進んでいくと仁王杉があり、トロッコの切り返し場所があった。

 

大株歩道入口

仁王杉

トロッコの切り返し場所

そして、9時を少し回ったころ、大株歩道入口に到着した。ここには線路脇やその先の橋の向こう側に大勢の人が休んでいた。ぼくも入り口の手前にある板に腰掛け少し休んた。

 

するとそこへ少し遅れてさきほどの女性ガイドの一行がやってきた。休む場所を探しているようだったので、「ここへどうぞ」と言って場所を譲った。

 

橋を渡って向こう側の2階建てのトイレに入る。ここでは並んではいなかった。

 

大株歩道入口

大株歩道入口の階段

10分ほど休んで大株歩道への板の階段を登る。これまでの平らな道から突然登りになった。もうすでに下ってくる人たちもいて、道を譲り譲られながら登っていく。

 

トロッコ道はここで終わりである。ここまではスニーカーで来られるが、ここから先は普通の登山道となり、スニーカーではちょっと厳しい。

 

最初の階段のあと、岩の山道を行くとふたたび木の階段が現れる。前方のガイドさんが、「ここからこうした階段がずっと続きます」という声が聞こえた。

途中から現れた階段

赤いのはヒメシャラ

木の根もすごい

登山道に入るとガイドの説明に立ち止まるからなのか、人が詰まりだした感じになって来た。

 

ガイドさんは後ろをよく見ていて、こちらが追いつくとすぐに立ち止まって道を開けてくれる。おかげでこちらは休む間もなくどんどんと登っていくこととなった。

 

それにしてもガイドさんには様々なタイプの人たちがいて、お客さんの話に合わせてずっと喋っている人や、外人さん専門? と思われるような人、杖を持った仙人のような人など様々で、ガイドさんウォッチも結構楽しい。

 

10時10分頃、腹が減って来たので、ベンチや段々になった板の休憩場所で、ゲストハウスのねーさんに作ってもらったおにぎりを食べることにした。

 

そこは大王杉の少し手前で、15分間昼食休憩をとった。おにぎりはボリュームがあったので昼は一つだけにし、もうひとつは夕食にすることにした。

 

大王杉

 

11時15分、縄文杉に到着。少し離れたところに展望デッキが作られており、ツアーのお客さんが順番に記念写真を撮っていた。

 

展望デッキはもう一つ隣にあるが、そこはパスして次の高塚小屋に向かった。

 

先へ進むと、これまでとは違って歩いているのはぼくひとりだけとなった。ツアー客は縄文杉が目的で、そこから引き返す日帰りコースなのである。

 

縄文杉


11時半、高塚小屋に到着する。

そして12時30分、きょうの目的地である新高塚小屋に到着した。小屋の扉を開けると誰もおらず、ザックが一つ入口近くに置いてあるだけだった。

 

高塚小屋

新高塚小屋に向かう途中

 

新高塚小屋

つづく。

 

challe.info

 

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