Hakuto-日記

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無料、ディスカウント、期間限定の誘惑に負けてしまう理由 (幸せの予感)

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「幸福になりたい」と誰もが願うことだろうとおもいます。

 

幸福とはなんでしょうか。

 

お金持ちになること。ビジネスで成功すること。けれどそれだけでは幸福とはいえません。

 

幸福かどうかは、その人がいま幸せと感じているかどうかということです。

 

それは、「幸福感を引き起こす脳内物質」が鍵をにぎっています。

 

ところが、その幸福物質が誘惑を引き起こし、それが逆に幸福感を失わせているかもしれないのです。

 

今回は、そんな脳内の「幸福物質」の話です。

 

ポイントは次の通りです。

  • 「幸福物質」セロトニンとオキシトシンを活性化させる
  • ドーパミンの誘惑を知っておく
  • ドーパミンを活用しよう

 

【目次】

 

 

脳科学から考える「幸せ」


はじめにダイヤモンドオンラインの『「仕事とお金で幸せは得られない!」脳科学が教える人生の結論』という記事を紹介します。精神科医、作家の樺沢紫苑氏の書いた記事です。

 

「国連発表による「世界幸福度ランキング」(2019年)によると、日本は対象156ヶ国中58位。先進主要8ヶ国の中では、ロシアに次ぐワースト2位」であるといいます。

 

では、幸福とはどんな状態でしょうか。

 

氏は「科学的に幸せになれる方法」として、「幸福感を引き起こす『脳内物質』」について説明しています。

 

「幸福感を引き起こす脳内物質、つまり「幸福物質」は、主に3つあります。「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」です(他にも「エンドルフィン」という物質もありますが、今回は除外しています)。


これらの物質が分泌されると、「幸せ」な気分になれるのですが、それぞれの幸せの「質」がまったく異な」るそうです。


以下、それぞれの説明を全て引用します。


1 「セロトニン」的幸福
「やすらぎ」「癒やし」「気分」の幸福感です。朝、「今日は天気がよくて清々しいな。今日も1日頑張ろう」とポジティブで前向きな気分に包まれるのなら、セロトニンが分泌されています。
それと逆に、「不安」「心配」「イライラ」「落ち着かない」「嫌なことばかり思い出す」という状態なら、セトロニンが著しく低下してネガティブな気分に支配されています。


2 「オキシトシン」的幸福
「つながり」の幸福感です。夫婦や恋人など、パートナーと一緒にいたり、子どもや友人と遊んでいて楽しいときに分泌される物質です。スキンシップ、コミュニケーション、人とのつながり、愛情、交流などに関連しています。
人に親切をしたり、親切にされたときにも分泌されるので、ボランティアや社会貢献での「感謝」「ありがとう」といった感情にも関連しています。


3 「ドーパミン」的幸福
「やる気」による幸福感です。ドーパミンは、「幸福物質」としてよく紹介されています。目標を達成したときに分泌される「成功」の物質です。
プロジェクトに成功したり、スポーツで優勝したり、大金を手に入れたり、昇進、昇給したり、「やった! 最高だ!」という、達成感や高揚感に関連しています。

 

そして氏の意見として、


「人間が生きていく上で、私が一番重要だと考えるのは、セロトニン的幸福です。セロトニン的幸福は、言い換えると「健康」を実感する幸福です。心や体の病気になると、セロトニンは低下します。


『セロトニン→オキシトシン→ドーパミン』という順番で実現させていくのが大事です」と述べています。

 

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

 

www.youtube.com


セロトニンは睡眠に作用するメラトニンの原料になると、以前私が書いた睡眠の記事でも触れています。

challe.info

 


セロトニンは心と体の健康に大きく関わります。自分自身についての幸福感ですね。


オキシトシンは、人と人との交流、家族の愛情など、存在自体が幸福感を味わはせてくれるもの。自分自身の幸福感にをさらに膨らませてくれるものなのではないかと思います。

 

さて、最後のドーパミン。「やる気」による幸福感で、目標を達成した時に分泌されるとのことですが、私は「やる気」が出ている状態そのものがすでにドーパミンが放出されている状態なのではないかと思います。

 

なぜなら、すでに多くの方が感じていると思いますが、目標に向かって頑張っているときに幸福を感じるのであって、それが達成されたときは、特に興奮するようなことはなく、静かにそれを迎えるのではないでしょうか。つまり、ドーパミンは常に行動を促すよう作用しているということです。

 

それは、オールズとミルナーの二人の科学者が行ったラットの実験からもわかります。

 

 

 

オールズとミルナーの実験

 

その実験は『スタンフォードの自分を変える授業』(ケリー・マクゴニガル著)の中で紹介されています。1953年モントリオールのマギル大学で、オールズとミルナーは、ラットの脳幹に電極を埋め込んで恐怖反応を示す場所に刺激を与える実験を行なっていました。

 

電気ショックを与えられたラットは恐怖を感じて逃げ回るはずでした。ところが実験を始めてみると、ラットは電気ショックを与えられた場所に戻っていきました。彼らは電気ショックを与えてもらいたがっているのではないかという仮説を立てました。

 

ラットが右へ動いた時に弱い電気ショックを与え、そのうちに電気ショックを与えてもらえるならラットはどんな方向へでも動くことがわかりました。彼らは次第にラットを自由自在に動かすことができるようになりました。

 

今度はそれを確かめるために、スキナー箱というレバーが設置してある箱にラットを入れ、レバーを押すと電極に電気が流れる仕組みを作ります。ラットはまるで刺激を求めてレバーを押しているかのようでした。

 

実験の結果は、エサも摂らず、寝ることもしないで動けなくなるまでレバーを押し続けました。その頻度はときに1時間に7,000回にもなったそうです。


実は、彼らは手術に失敗して電極を埋め込む位置が少し前方にずれていました。

 

手術のミスから、脳に『報酬系』という領域が存在することが発見されたというものです。

 

ラットが刺激により感じていたのは「快感」ではなく、じつは「欲求」でした。こうして報酬が得られてからも次から次へと求め続け、食べることも眠ることもしなくなるというのはとても恐ろしいことです。

 

このあと人間でも同じような実験が行われ、結果は同じでだったということです。

 

こうした刺激というのは、電気ショックだけではありません。世の中の様々な刺激を受けてドーパミンが放出されます。

 

こうしたドーパミンは快感の期待だけがあり、幸福とは呼べません。ケリー・マクゴニガル氏はこれを「幸福の予感」であるとし、喜びと不安を感じることによりとる行動だと述べています。

 

 

無料、ディスカウント、期間限定

 

また、氏は『スタンフォードの自分を変える授業』のなかで、「無料の試食品」「ディスカウント」「限定品」「新商品」「香り」などがドーパミン放出の引き金になると述べています。

 

人はドーパミンが放出されると何が何でもそれを手に入れようとします。

 

無料の試食品を食べると、逆にお腹が空いたり喉が渇いたりしてしまい、さらに多くの買い物をしてしまうそうです。

 

自分自身のことを考えてみると、「無料」「ディスカウント」「期間限定」「残りわずか」などという言葉につい引き寄せられてしまうことに気がつきます。おそらくドーバミンが放出されるのでしょう。

 

また、香りというのにも無意識に引き寄せられてしまいます。スターバックスの創業者があえて通りを行く人に濃厚で豊かな香りを嗅がせるようにしたという話がありますが、成功の秘密はそこにありそうです。

 

だからこれらの言葉や香りに負けてしまうのも無理からぬことだといえそうです。けれど、こうしたことを利用している人たちがいます。それはわたしたちからいかにお金を引き出させようかと考えている人たちです。

 

ドーパミンは人という種が生き残るために脳が作り出した重要な物質ですが、現代社会においてはそれが逆効果になってしまう場合があります。

 

そこで氏は、ドーパミンを活用する方法としてつぎの3つのことを推奨しています。

 

  1. やりたくないことにドーパミンが放出されるようにうまく利用する。例えば小さな報酬(トークン)を自分に与えるなど。
  2. ドーパミンが放出させるものとやりたいけれどあまり楽しくないものを結びつける。例えば、好きな香りを嗅ぎながら勉強するなど。
  3. 何かを欲しいと思ったときは、不安のせいなのか、幸せを求めているのかを感じ取る。

 

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まとめ

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

樺沢紫苑氏のいう通り、セロトニンとオキシトシンの分泌されるような幸福感に包まれていたいと思います。

 

ドーパミンとはもろ刃の剣。ケリー・マクゴニガル氏のいうようにうまくコントロールしたいものだと思います。

 

ここまでお読みいただいたらわかる通り、幸せとは「幸せの状態」があるわけではなく、自分自身がいま幸せを感じている、そのことが幸せということなんだということです。

 

さあ、幸せを感じるためにセロトニンとオキシトシンをどんどん放出させましょう!

 

では、このへんで

 

 

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