1月24日(金)、曇り 岡山市から赤穂市 66.49キロ
昨夜、岡山のゲストハウスで夕食を作り終えたところに白人の青年男性がキッチンに入ってきました。
「ハーイ」
「ハーイ」
そして、スーパーの袋からサーモンとマグロの切り身を調理台の上に載せました。
「アイ ライク サーモン」
「ユー ライク サーモン」
「アイ ライク ツナ」
「オーケー」
そんなやりとりの後、どこから来たのか聞くと、
「メーボー」
聞き返してそれがメルボルンのことだと分かりました。
日本に来たのは3回目で、今回は東京から名古屋、岡山ときて、明日の夜(つまり今日の夜)大阪から帰るのだそうです。
英語が話せないのによくここまで分かったのか不思議ですが、彼が一生懸命解るように話してくれたおかげです。
とっても誠実そうな、そして積極的に話してくれる笑顔の素敵な青年です。
そこにもう一人、宿泊する方が入ってきました。30 代と思われる髪の長い日本の男性で、すぐにオーストラリアの青年と打ち解けた感じで会話をし、名前を聞いていました。アランというそうです。
そのあとゲストハウスがやっているカフェラウンジで3人で話をしました。
後から来た男性はアーティストで、犬島というところで作品の修復を終えて岡山駅でチームを解散してきたところだそうです。(この方の名前は忘れてしまいました。)
このアーティストさんは、去年は半年くらい海外に行っていたそうで、作品を製作し展示するまで、一か所にだいたい2週間くらいいることが多いそうです。
それを世界の各国を転々として行っていたとのことでした。
ここで質問をしてみました。
「展示されている作品は完成されたものだと思うんですが、これで完成ってわかるものなんですか」
「ほとんど締め切りまで何度も手直しすることが多いのですよ」
それから
「大工さんだったら約束が違うって帰っちゃうでしょうね。でも僕らはそういうものだと思ってやっています」
やっぱり締め切りがないとずるずるやっちゃうんですね。大変面白い話でした。
メルボルンのアラン君は、日本茶が大好きだと言ってティーバックのお茶を飲んでいます。
私が、日本茶は子供の時から飲んでいて、特別なものではなくて当たり前に飲んでいるというと、当たり前が通じなくて、グーグル翻訳で〈習慣〉と訳してくれました。あっているようなそうでないような。
私がコーヒーが好きだというと、彼は自分はバリスタだと言います。「えっ」ていう顔をしたら、イベント会場にコーヒーカートを運んでコーヒーをサービスする仕事をしていると会社のPR動画を見せて、これは自分だと教えてくれました。
「じゃあ、バイバイ」
今朝、そう言って階下に下りるとなんと自転車の後輪がペシャンコ。そこに彼が下りてきて、チューブを交換している間にコーヒーを淹れてくれました。それも豆から挽いて計りで分量を計り、時間までタイマーで計ってくれていたのです。そうやって彼自身のコーヒーを淹れるところを見せてくれました。
まさにプロフェッショナル。
出発する時一緒に写真を撮りました。彼はお父さんに見せるのだと言って自転車の写真を撮りました。お父さんも自転車でヨーロッパを旅した方だそうです。
さて、やっと出発。
この後備前焼の町、伊部(いんべ)を観てから赤穂市のキャンプ場に向かいます。
備前焼は陶器なのにとても硬くて指先で弾くと甲高い音がしました。街並みは焼き物と同じように渋い感じに統一されていました。
では、このへんで。