今日は気楽なお話。
通信制の大学にいっているときのスクーリング授業で、小説家の川又千秋氏が講師の授業がありました。講座名は忘れました。
1日8時間でそれを3日間の授業です。
川又先生は、SF作家で架空戦記モノが有名です。授業を受ける前に『ラバウル烈風空戦録』の角川文庫版『翼に日の丸』読んでみました。
その頃、架空戦記という言葉さえ知らなかったので、実話だと思って読んでいました。だいぶ読み進んでから、「あれっ、なんか違う!」と思い始めて、さらに読み進めるとそれが確信となり、ようやくそれがフィクションだということに気づきました。
『ラバウル烈風空戦録』(らばうるれっぷうくうせんろく)は、川又千秋によって書かれた架空戦記。史実とは異なる展開を辿った太平洋戦争を、年老いた元撃墜王の回想録という形式 で描いたもの。通称『ラバ空』。中央公論社より本編15巻、外伝など4巻が出たところで中断。また和田知/サトウ・ユウに として再編集され、その後、角川文庫で『翼に日の丸』(つばさにひのまる)シリーズとして再編集され、一応完結した形となった。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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その先生が、当時、東京新聞で行なっていた300文字小説の審査員をしていました。
そのためだったと思われますが、授業でその300文字小説を書くという課題を行なったことがあります。
その時書いた、わたしの300文字小説はこんなものです。
「ロボット犬」
ハナは独居老人である。
ロボット犬が唯一の友達であった。
買い物に行くにもどこへ行くにもいつも一緒だった。
「コロちゃん、今日は何を食べようかね。」
「ワン。」
「コロちゃん今日はいいお天気だねぇ。」
「ワン、ワン。」
ある真夏の熱い日のこと、
「コロちゃん、なんだか今日は気分が悪いよ。」
「ワン、ワン、ワン。」
老人には大丈夫?と言っているように聞こえる。そして老人の体はだんだんとしびれてとうとう動けなくなった。
老人は死を覚悟した。
ロボット犬はただ、老人の側に佇んでいるだけであった。
ピーポー ピーポー
そこへ救急車が突然現れた。ロボット犬が救難信号を発したのだ。
ロボット犬はオートロックを解除し、救急隊員を室内に招き入れた。
まあ、こんなもんです。
そして、川又先生はこれにコメントをつけてくれました。
それは、救急車が現れるのではなく、いつまでもいつまでも「ワン、ワン」と吠え続けていた、というほうがいいというのです。
なるほど。でもそれは、本当にこわ〜い話!
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