[Jason GillmanによるPixabayからの画像]
腰痛を悪化させないように、数日間ずっと家にいた。
その間、ZOOM会議があったり、俳句結社機関誌の原稿を書いたり、本を読んだり、オーディをブックを聞いたりしていた。
そして昔のフライタイイングの道具やマテリアルを引っ張り出して何十年かぶりに蓋を開けてみた。
すると、昔使っていた時と変わらない道具がそこにあった。個々の道具を止めているケースのゴムは伸び切っていたが、もう当時からある程度は伸びていたのでそう変わらない。
フライタイイングをする前に、日本の水生昆虫のことを学んでおこう。そう思った。
当時は数種類のパターンを自分でタイイングして使っていた。しかし、虫があまり得意ではなかったため、水生昆虫のことは全く勉強していなかった。
あらためてフライフィッシングを始めるにあたり、今度はちゃんと勉強しておきたい。なにがなんでもちゃんと釣れるフライフィッシャーになりたい、ではないか!
フライパターン
フライには様々な種類があり、また材料によって様々な名前がついている。
だから初心者では何が何だかわからない。
そこで、まずはフライパターンとその意味を整理しておきたい。
- メイフライ・ダン
- メイフライ・スピナー
- メイフライ・ニンフ
- カディス・アダルト
- カディス・ピューパ
- カディス・ラーバ
- ストーンフライ・アダルト
- ストーンフライ・ニンフ
- ミッジ・アダルト
- ミッジ・ピューパ
- テレストリアル
- ウェットフライ
- ストリーマー
- サーモンフライ
メイフライ
メイフライとはカゲロウのこと。
ダンは亜成虫、スピナーは成虫、ニンフは幼虫のこと。
メイフライ・ダンはドライフライの基本型。スピナーはダンと違い、羽が開いた状態で流下していく。
カディス
カディスとはトビケラのこと。
アダルトは成虫、ピューパはサナギ、ラーバは幼虫のこと。
カディス・アダルトは日本の渓流には欠かせない存在。初夏から有効。ピューパは脱皮のために水面に浮き上がる。ラーバは水底で植物や砂で巣を作る。イワナ向きで夏場の源流部で有効。
ストーンフライ
ストーンフライはカワゲラのこと。
アダルトは成虫、ニンフは幼虫のこと。
ストンフライ・アダルト、ニンフともに春から初夏の山岳渓流で有効。
ミッジ
ミッジはユスリカなど小型の双翅目(そうしもく)の総称。
アダルトは成虫、ピューパは羽化直前のサナギのこと。
ミッジ・アダルトは1年中出るが、重要なのは春。
テレストリアル
魚たちの餌となる陸生昆虫の総称。
初夏から夏、特に源流域に有効。
ウェットフライ
流れの中を泳がせるフライ。
ストリーマー
対象魚の餌となる小魚をイミテートしたもの。
日本の代表的な水生昆虫
アカマダラカゲロウ
カゲロウは、陸生昆虫のウスバカゲロウ(アミメカゲロウ目)もカゲロウだが、フライフィッシングではカゲロウ目のカゲロウを指す。
カゲロウの幼虫時代は水棲生活で、脱皮を数回繰り返し、産卵の翌年に羽化をする。ヒラタカゲロウは水中で、マダラカゲロウやモンカゲロウは水面、フタオカゲロウやチラカゲロウは陸上で羽化する。
カゲロウは他の昆虫と異なり、亜成虫(ダン)となってからもう一回脱皮して成虫(スピナー)になる。
アカマダラカゲロウは日本全国に分布し、春と秋の2回羽化する。
フタオカゲロウ科、ヒトリガカゲロウ科(チラカゲロウ)は、幼虫の尾の数が3本だが成虫になると2本になる。
ヒラタカゲロウ科のヒラタカゲロウ属、オビカゲロウ属は幼虫も成虫も尾が2本。コカゲロウ科の一部は幼虫の尾が2本、大多数は3本で成虫は全て2本。
他のカゲロウは幼虫も成虫も尾が3本。
ヒゲナガカワトビケラ
トビケラは世界で約1万種、日本でも300種ほどが報告されている。ナガレトビケラ以外は水中の植物や砂で巣を作る。移動するものは巣ごと動く。
ヒゲナガカワトビケラの幼虫はクロカワムシと呼ばれている。サナギは巣を食い破って水面に浮上する。このとき翅も脚も斜め下を向いていて、触覚も後ろ向きである。
水中や水面で羽化した成虫は、触覚をまっすぐ前に伸ばす。
オオヤマカワゲラ
カワゲラは陸上で羽化する。岩などに這い上がり、背中が縦に割れて成虫が現れるのでサナギの時期がない。幼虫は全て尾が2本。ただしあまり長くない。オニチョロとかオニカワムシと呼ばれている。
カゲロウの羽化時期
3月 ヒメフタオ(〜4月)、シロハラ(〜10月)、マエグロヒメ
4月 チラ、ナミフタオ、ナミトビイロ、オオマダラ、ミツイトゲマダラ、アカマダラ(〜5月)、クロマダラ(〜6月)、フタバ(〜10月)
5月 エルモンヒラタ(〜6月)、シロタニガワ(〜7月)、モン
6月 フタスジモン(〜7月)
9月 エルモンヒラタ、アカマダラ(〜10月)、フタスジモン
トビケラの羽化時期
3月 ヒゲナガカワ(〜11月)
4月 ウルマーシマ(〜9月)、コガタシマ(〜5月)、ニンギョウ(〜6月)
カワゲラの羽化時期
4月 フタスジミドリカワゲラモドキ、コグサアミメカワゲラモドキ(〜6月)、オオヤマ(〜7月)、カミムラ(〜5月上)、ヤマトチビミドリ(〜5月中)
7月 ヘビトンボ(〜8月)
9月 クロヒゲカミムラ(10月中)
以上、『フライタイイング教書』(地球丸)からまとめました。
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まとめ
渓流で魚を釣りたかったら魚が今何を食べているのかを知ることだと思う。
そして、おいしい餌にみえるようなフライを用意しておかなくちゃならない。
ここまではキャストの技術がなくてもできる。
そのつぎは、魚がどんな場所で餌が流れてくるのを待っているのか見当をつけることである。
これは、今は上手な人の動画をYouTubeで見ることができる。
そう、ここまでもキャストの技術がなくてもできる。
練習が必要なのはキャストの技術だ。
こればっかりはすぐに上手くなるものではない。
しかし、フライフィッシングで魚を釣るために必要な3つの要素のうち、2つは家にいて勉強できるのである。
釣りシーズンが始まるまでにしっかり頭にいれておきたい。
最後に
最後までお読みくださった方は、フライフィッシングに興味がある方でしょう。
そうでない方にとっては面白くない内容だったと思います。
どちらの方も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
では、このへんで
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