インク吸入式万年筆の尾っぽの軸が固まって動かなくなってしまった。
さて、困った。
調べてみると、全国数カ所で修理ができるが、あいにく自宅近くにはなかった。
そこで、まあまあ近くの銀座伊東屋さんに修理を依頼した。

万年筆にハマり出した
万年筆。
高校時代にもらったものがあったが、ほとんど使ったことがなかった。
20年くらい前だろうか、万年筆を使ってメモを取ると記憶に残りやすいということを本で読んだ。
それから安い万年筆を買って使うようになった。
けれど、昔の安い万年筆はよくインク漏れをおこし、すぐに使えなくなるものが多かった。
そうして、安くても壊れない万年筆を見つけたのが10年くらい前だっただろうか。
それは仕事帰りに寄った丸善で見つけた。ペリカンのth -INKシンクという軸が三角のものだった。色もブラックとパープルのコンビでちょっと和風な感じがして一瞬で気に入った。
試し書きをしてみると、なめらかな書き心地とインクが途切れないというすばらしさ。
ペン先の太さはFという細字ではあるが、細字というよりも細字と中字の中間という感じ。色はロイヤルブルーのカートリッジを使ってきた。
ただ、手帳にメモをとるには少し太かったので、その後、EFという極細のペン先のラミーサファリという定番のものを買って、この2本をずっと使ってきた。
ところが、ペリカンの方のパープルの滑り止めの部分が加水分解をはじめてベトベトするようになった。
また同じものを買おうと調べたところ、もう、このth -INKは製造されておらず、売られているところも見当たらなかった。
仕方ないので、価格が同じくらいのパイロットのライティブという万年筆を購入した。するとこれがまた滑らかで書きやすい。あまりにも書きやすいので、昔挫折したペン字の教科書を引っ張り出して字の練習を始めた。
そうやって万年筆を使い、ペンの持ち方などyoutubeで勉強していると、万年筆大好きユーチューバーが多くいることがわかってきた。
そんな動画を視聴していると、他の万年筆も欲しくなってきた。
そして、あこがれの万年筆をヤフーオークションで手に入れた。これがはじめてのヤフーオークションへの参加だった。あこがれの万年筆、それはペリカンの緑のストライプの軸のもの。
じつはそれまで800とか600とか400とかがあって、大きさや価格がかなり違うということも知らなかった。ただ、緑のストライプがかっこいいと思っていたのだった。
ただ、オークションをみていると、茶色や赤のストライプもかっこよくて目移りしちゃったのだけれど。でも最後は初心完徹、緑のストライプを頑張って落札しました。
そのあともオークションではないけれど、あと2本を買い増してます。
ペリカン・スーべレーン400の修理依頼
ペリカン・スーべレーンの400は現在はM400となっている。僕が落札したのはMがついていないもっと昔のタイプ。吸入の軸の回すところに金の輪がないシンプルなタイプ(こうしたことも買った後で知った)。
手に持ってみると小ぶりで実に軽い。そして緑のストライプの隙間から中を覗いてみることができる。
そして吸入式はこれが初めてである。インクの入れ方をyoutubeで調べてさっそくインクを入れてみる。最初に入れたのは、手持ちのパイロットのブルー。本当は同じメーカーのインクを入れるのが良いらしいが、パイロットのインクはサラッとしているので影響が少ないらしい。
そうして試し書きをしてみると、なめらかなインクの出と滑らかな書き味。そうそう、ペン先はEFとしたので、th -INKのFよりもなめらかさは少し劣る。そして、th -INKは鉄ペンと呼ばれるもので400の方は14金ペンなので、劣ると言ってもほんの僅かの差である。
なんだかんだ文字の練習で使ったので、パイロットのインクは使い切った。今度はちゃんとペリカンのインクを買って入れた。ペリカンインクはブルーブラックにした。
パイロットインクは綺麗に水で洗い流し、そこにペリカンインクをいれた。そのときに、吸入ピストンを上下させる軸の回転が渋いなと感じてはいた。
やがてそのインクもなくなり、水で洗い始めると、しだいしだいに軸の回転が固くなっていき、ついに回らなくなってしまった。
もうどうにもならないと、諦めて修理ができるお店を探すことにした。
そうして持ち込んだのが銀座伊東屋である。カウンターの担当の男性が、「分解掃除になりますが、古いタイプなので、場合によっては完全に中のピストンが壊れてしまうこともあります。その場合はつけペンとして使っていただくことはできますが」
そのように説明し、それでもやりますかと確認をされた。一瞬躊躇したが、「お願いします」と答えた。
出来上がりは3週間後の6月上旬に引き渡しとなるということだったが、家に送ってもらえるかを尋ねると可能だという。その場合、分解掃除が1,650円で、それに送料が加わるが、代金は代引きでの支払いとなるという。
ペリカン400が修理から返ってきた
6月8日、万年筆1本にしては大きな箱で、修理後のペリカン400が届いた。箱を開けるとプチプチに包まれたセーラーの紙箱が入っていた。丁寧にプチプチを止めているセロテープを取り、セーラーの箱を開ける。いよいよ我がペリカン400との対面である。

箱の中には、ペリカンの他に1枚のカードが入っていて、修理内容に「分解洗浄 吸入機構グリスアップ」と書かれていた。ただ、それだけでなく、ピンクの付箋に「吸入ノブのネジ摩耗により固さは残っていますが、グリスアップで改善できる限界となります」というメモ書きがあった。

ペリカン400を手に取って後ろの軸を回してみる。渋い! しかし回るようにはなっている。残念だがこのまま丁寧に使っていくしかあるまい。

けれど、少し汚れていてティッシュでは落ちなかったペン先のインク汚れがとれて綺麗に輝いている。

早速インク入れて試し書きをしてみる。なつかしい(というほど離れていたわけではないが)書き味である。
そしてペリカンのEFという太さは万能で、手帳にも字の練習にも使えて便利だし、意外と緑の軸の素材が滑らず、下手な字もなんだか上手くなったように錯覚できるのも嬉しい。
最後に
万年筆のペン先には鉄ペンと言われるステンレス製のものと、14金や18金などの金を使ったものがある。同じ軸でペン先だけ鉄と金で違うタイプのものもある。
実際のところ、書き味はそれほど大きく変わるものではないという気がしている。大きく変わるものといえば価格である。さらに14金よりも18金の方が高い。
鉄ペンとの価格差を考えてみると、金の価格に左右されていることがわかる。金の価格は昔に比べて上がっているのである。
僕が高校時代にもらった万年筆は、パイロットの小型のものだった。でも14金であったことは覚えている。当時は金ペンが当たり前だった。おそらく数千円くらいでかえたのではなかろうか。
それが、金ペンを買おうとすると数万円もする。そうか、あのペンは金を使っていたじゃないか。そして家内がもっていた万年筆もエリートという文字が書かれたもので、あれも金のはずだ。
そうして家中を宝探し。見つからない。そういえば遠い昔にガラクタと一緒にして捨ててしまったような気がする。
ああ、数万円を捨ててしまったのか!
だが、あとの祭り。
なお、ペリカンth -INKの加水分解は、セスキ溶液で拭いたら気になるベタつきはとれたので、引退するのはもう少し先になりそうである。
では、このへんで
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