GW後半の登山旅はつづく。
旅の3日目に登ったのは磐梯山。
昨年秋に登ろうとしたが、その朝は大雨でその後雪になり、たまに晴れ間がのぞくといった荒れた天気。登山を断念して温泉に入り十割蕎麦を食べて帰った。
今回はその時登ろうとしたコースとは違うが、再挑戦ということもあって気持ちが昂っていた。
3日目、猪苗代の宿を出発
旅の3日目、5月6日月曜日。磐梯山八方台登山口からの登頂を目指す。
6時半、猪苗代のゲストハウスを出発する。昨日来た道を少し戻って右折すると上り坂になる。7時、登山口の駐車場に到着。スーパーカブを止めると今日も虫が群がってくる。人間だけでなく、バイクの周りにも集まって飛び回っているのはどういうことだろう。
プロテクターを外したりして登山の身支度を整え、トイレに行ったりコンパスアプリで登山届を出したりしていたら出発は7時40分になってしまった。
登山口で磐梯山の成り立ちなどが書かれた案内板を簡単に読み、あとは写真を撮っておく。
登山開始早々はなだらかなブナの樹林帯。今はちょうど新緑で薄緑色が美しい。胃薬を飲んだみたいに胃のあたりがスッキリする。緑効果である。
1時間ほど歩くと中ノ湯温泉に着いた。温泉といっても廃墟となった温泉宿が荒れ果てているばかり。まるで硫黄の成分が建物を分解してしまったかのように思えた。
今日は昨日のように晴天とはいかなくて花ぐもりといったような天気。昨日ほど暑くないのはありがたい。しかしそれでも1時間ほど歩くと汗ばんできたので、ここでウインドブレーカーを脱いでザックに仕舞った。
そうしていると、またも(昨日とは違う)女性の二人連れがやって来て、それからしばらく前に後になりながら歩くことになる。
彼女らとはほとんど会話をしなかったが、聞こえてくる二人の会話から教えられることも多かった。そのうちの一人は地元の人らしかった。
例えば、「あれが猫魔で•••」「あ、水芭蕉が咲いてる」「昨日登った西吾妻が見えてるわ」「今日は遊覧船がたくさん出ているみたいね」など。ぼくが気がつかないことばかりだった。
水芭蕉は温泉の池の脇に咲いていた。行きでは知らずに通り過ぎ、帰りにしっかりと見た。温泉を過ぎると少し大きな池のほとりの平坦な道を行く。谷間には雪渓があらわれた。
そのあとから急登になっていく。トレーニング不足のため、息が上がり心拍数が上昇している。立ち止まって息を整える。
歩く時は、なるべく心拍数を上げないように一歩の幅を狭くして、できるだけ同じリズムを保つようにする。このリズムを崩してしまうといつまでたっても調子が上がらないような気がする。
左手の向こうには西吾妻山がやわらかな山頂を見せ、その下側にスキーコースの跡が見える。手前には桧原湖や五色沼の湖沼群が広がっている。
急登のあと再びなだらかな斜面になり、ほっとしていると弘法清水に着いた。9時半だった。ここは本当に清水が湧いていてその側には石像が立っていた。この清水は黄金清水といい、石像は弘法大師らしい。
この辺りは少し平らな場所でモダンな小屋が立っていた。そこは売店で自家焙煎珈琲の看板があった。飲まなかったけど。
売店の前は展望台のようなところで、腰掛けるのに良さそうな岩が点在していた。まだ時間が早かったので、登頂後、戻って来たらここで昼にしようと決めた。
山頂を目指す
ここに来る少し手前で山頂が望めた。しかしかなりの急勾配だ。思った通り登り始めから急登が続き、それが山頂まで続いていた。ところどころに眺めの良い場所があり、それが北側から東側へと回り込み、最後に山頂の360度の眺望となった。
弘法清水からちょうど30分、10時に磐梯山登頂。山頂は岩場で一番高いところには石の祠が立っていた。そこには山頂標識はなく、少し下の場所にそれはあった。これで昨年のリベンジを果たすことができた。
ちょうどここで例の二人連れと一緒になったので写真を撮ってあげこちらも撮ってもらった。
山頂からは雪を被った山々が見渡せた。今頃見える山は山頂の方だけ雪を被り、そこだけ空に浮かんでいるように見える。それがなんとも言えず美しい。
10分ほど滞在して下山を開始する。20分で弘法清水に着いた。ここで裏磐梯を眺めながら昼食。
ぼくが向いている方向は登山道になっているようで、登ってくる人あり下っていく人ありで、見ていて飽きなかった。
ふと後ろを振り返るとあの二人連れが座っており笹粽のようなものを剥いているところだった。
また、登ってくると真っ直ぐに売店の中に入っていく人がいて、お店の人に話しかけていた。常連さんなのだろうか。
約1時間ほど滞在し、下山を開始する。降りるのがもったいない感じでのんびりと下っていった。
温泉跡ではしっかり水芭蕉の写真を撮り、ブナの林の中で緑色に染まりながらとうとう登山口まで戻って来た。磐梯山はとても良い山だった。別のルートでも登ってみたいと思った。
最後に
この日、宇都宮のホテルを予約していた。無理をすれば帰れないこともないが、安全のためにも自重した。
せっかく宇都宮に泊まるのだから、ぜひ餃子を食べたい。
するとなんとホテルから歩いてすぐのところにオリオン餃子という店があった。ハッピーアワーでビールのジョッキがなんと320円。
今回の山行のプチ打ち上げは宇都宮餃子とビール。本調子でないカラダを連れ出してよく頑張りましたと自分を褒めた。
では、このへんで
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