急に暖かくなった土曜日、句会に参加。
そこはいつもの川崎の句会。
俳句結社の句会も川崎だからややこしい。
良い天気なのでスーパーカブに乗って出かける。
ただ、眠くてベッドでうだうだしていたので出発が少し遅くなった。
暖かな朝
今までより薄着でバイクに乗っても寒くない。
ハンドルに取り付けた温度計は、日が当たっているせいで26度を表示していた。
句会場近くの古いお寺の手前にあるコンビニでおにぎりとお茶を買う。
そしてお寺のベンチに腰掛けて昼食。食べながら句を考える。
この日の兼題のひとつが「椿」。なんとこれまで気が付かなかったが椿の寺といってもいいくらい、境内にさまざまな種類の椿が植えられていた。
中央には辛夷の大きな木に白い花が日の光を透かし眩しいくらい。
そこは歴史のあるいわゆる古刹で、少し風化した石仏やお地蔵様が立っている。
そのお地蔵様は椿の木の下に立っていて、赤い帽子と前掛けがつけられていた。
そんな赤に呼応するように赤い椿の花が点々と広がって落ちている。
それが木漏れ日の光と絡まり合ってひとつの世界を作っていた。
木漏れ日の地蔵の肩に落椿
寺の猫
おにぎりを食べていると猫が近寄ってきた。
ちょうどシャケのおにぎりを食べていたところだったので、匂いにつられて寄ってきたのだろう。
シャケを手のひらに乗せて誘ってみたけれど、それ以上は寄って来ず、横に動いて同じ距離を保っていた。
しばらく経っても近づいて来ないため、手に取ったシャケは食べてしまった。
すると猫もどこかへ行ってしまった。
ベンチの隅には落椿があり、猫と椿に親しむ昼食となった。
白椿
寺には赤ばかりではなく白椿も咲いていた。
白椿は同じ白でも辛夷とは違い、花びらが厚いので光は透けない。
そのかわり、花びらの中にやわらかな光が回る。それはとても美しい。
白椿蕊をやさしく包みけり
椿は蕊も美しいのである。
そろそろ句会の時間になる。句碑には寄らず、句会場へ急ぐ。
到着すると、すでにほとんどが揃ってロの字型に並べた机に向かって座っていた。
そこには先日怪我をされた講師の先生も座っておられた。
それだけでなんだか嬉しくなる。
句座の中央にはさまざまな花が活けれられて、その両端には沈丁花が甘い香りを放っていた。まさに春である。
窓からは暖かな日差しが差し込んで、春真っ盛りの句会は盛況のうちに終了した。
最後に
過ごしやすい季節。
けれど秋とは違い、冬の寒さが終わってこれから暖かくなるという、緊張が解けていく感覚がある。
「春眠暁を覚えず」だけど、寝ぼけてうだうだが気持ち良いのである。
惰眠を貪るのもまた良し。
そういえば、お地蔵様も眠そうだったなあ。
では、このへんで
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