前回は金峰山登頂までを書いた。
今回はその続き。
雨の中の下山からテント泊の様子について書いています。
前回の記事です。
金峰山からの下り
下りはもと来た道を戻るだけだ。
道がわかるだけにこの先どうなっているのかという不安がない。
10時15分に小さなピークに着いて写真を撮ったりしていたらあっという間に20分が過ぎた。下山を開始すると早々に登ってくる人と出会った。少しだけ早く到着したおかげで山頂でのんびりできた。
下り始めるとすれ違う人も増えてきた。
残雪の岩場では数人の登ってくる人を待ってから降りていく。みな苦戦して登っている。
登るときに少し道を外れて岩の間を進んだところがあったが、下りでは道を間違えようもないところだった。
ただ、その辺りは強い風が吹いていた。ヒマラヤなどで吹く、体が吹き飛ばされるような強風というのはこれよりはるかに凄いのだろうと思いながら、バランスを崩さないように身をかがめて進む。
砂払ノ頭を11時17分に通過。
(砂払ノ頭から金峰山寄りの千代の吹上の様子)
登りはかなり時間がかかったが下りは快調である。登りでは酸素が切れて貧血になりそうだったので、休み休みゆっくり登っていた。それがうそのように体が軽い。
ちょうど12時に大日岩の小川山との分岐(登りの時に晴れて遠くの山を眺めたところ)に到着。ほぼコースタイムどおりだ。
この頃からぱらぱらと雨が降り始める。もともとレインウェアを着ているので問題なし。
ここに来るまでに8人ほどとすれ違った。そのうちの3人が女性。おそらくアラフォーだろう。皆単独行だった。この年代の女性はバイタリティがある。
分岐からわずかの大日岩基部(鎖場があるところ)に来た頃から雨が強くなってきた。ここでザックカバーをつける。
そこから20分ほどの大日小屋のテント場では、雨の中でテントを張っている人を一人見かけた。
ここからの横八丁では、さらに多くの登山者とすれ違い始める。数人のパーティも複数見かけた。女性だけのパーティーもあった。さすが連休である。
富士見平付近の登山道の石
ただ、富士見平の近くになるとさすがに誰とも出会わない。静かである。
尾根道から富士見平へ下っているとき、歩くときにぶつかる石の音が甲高いことに気づく。
よく見ると全てが瓦のカケラのように見える。手に取って落としてみるとやはりカーンと甲高い音が鳴り響く。相当に固そうな石である。
雨のテント場
13時15分、富士見平のテント場に戻ってくると、出かけた時の3倍くらいにテントが増えていた。
自分のテントに戻り、雑巾で濡れたザックを拭き、続いてレインウェアを拭いていると、テントの中から腕を出し雑巾を絞っている人がいた。
テントの中に入ると、冷えた体を温めるためコーヒーを淹れる(インスタントだけど)。
それから雨はさらに激しくなり、風も強くなった。
こんな雨の日に困るのはトイレである。せっかく乾いてきたのにふたたびレインウェアを濡らさなければならないのである。
風も強いので傘だけでは服が濡れてしまう。そして今回は傘も着替えも持ってきていない。
トイレのためにレインウェアを着て靴を履こうとしたら、フライシートの隙間から吹き込んだ雨で、靴の履き口近くまで泥が跳ね上がっていた。それに内部もなんとなく湿っている。
テントはアライテントのトレックライズ0というもので、小さいながら 前室がある。ここにダナーライトを置いていたのである。
トレックライズにはDXフライシートというものもあり、これを使えば雨の日も快適になると思われるが、重量が350g増えて金額も税抜き21,000円もする。
当面、別な雨対策を検討しようと思う。
さて、テント内での湯沸かしについてである。
雨の中、外で行うわけにもいかないのでテント内で火を使う。持ってきているのは固形燃料なので匂いがきつい。このためテントの入り口を全開にし、反対側の吹き流しのような空気取り入れ口を開けて風が通るようにする。
フライシートはそのままにしても風が通り抜ける。これで入り口付近でストーブを使う。
自作したアルミ缶の風防は完璧に機能を果たしてくれている。気温が低くても350ml程度の水は4g2本のタブレットで十分お湯が沸き、さらにしばらく火がついている。
2日目の夕食もモンベルのリゾッタ(味は忘れてしまった)。それにアマノフーズのフリーズドライ味噌汁。アマノフーズの味噌汁はとても美味しい。
コーヒーを飲んだ後はずっとゴロゴロしていたのだが、夕食後早々に寝る。
しかし、雨がテントに当たる音がうるさく、ときどき風のためにテントが押され体も押される。
こんな状態でなかなか眠れない。けれど22時頃に雨、風が止む。そのかわりすごく冷え込んだ。
こんどは寒さで眠れない。シュラフの中にはダウンジャケットを入れ、カイロも2個使っていたが、それでも寒かった。3シーズン用のシュラフではやはり寒い。スマホの天気ではマイナス4度となっていた。
結局ほとんど眠れずに朝を迎える。外に出てみると霜柱ができていて、テントは凍っていた。
金峰山についてはここまで。次回は瑞垣山登頂記です。
では、このへんで
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