前回書いたように、数十年ぶりにウェーディングシューズを履いて渡渉したところ、フェルトソールが剥がれた。
最初は右足、続いて左足。
どちらもつま先側が剥がれてペロンと舌を出したような格好になった。それじゃ歩けないので踵のほうも剥がす。
でも、一時は内張に問題が発生してもう履けないと思った靴である。
それがこうして履くことができ、ざぶざぶと川に入っていけることが楽しい。
それに足にピッタリあっていてとても歩きやすい。
ウェーディングシューズ解体
管理釣り場から帰ってきてシューズとソールを洗う。
ソールが剥がれたまま河原を歩いたので、翌日にシューズが乾くとあらためて靴をじっくりと眺めてみた。
フェルトソールの上にはミッドソールが貼ってある。
ミッドソールはたぶんEVAという素材(あらためて調べてみると、EVAとは、Ethylen-Vinyl Acetate (エチレン-ビニル アセテート)という樹脂の名前の頭文字を取ったもので、水に強い素材とのこと)、だと思う。
その上は靴底で、ここは硬いプラスチックでいわゆるシャンクを兼ねている。
この靴で歩いたのは河原ではなくほとんどが林道だ。とても歩きやすかったのは、このシャンクのおかげだろう。
そんなことを考えながら眺めると、左のミッドソールの端がボロボロと欠け落ちていた。
「ここに剥がれたソールを貼るのは厳しそうだな」そう思ってさらによく見ると、靴底とミッドソールの間にちょっぴり隙間が見つかった。
このままフェルトを張ってもすぐに剥がれてしまうだろう。
やっぱり買い替えないとだめだろうなぁ。
修理意欲が湧いてきた
修理するのは諦めて、見つかった隙間からミッドソールも剥がしはじめる。
すると、なんとすんなりとしかも綺麗に剥がれていく。
こうして両足のミッドソールが剥がされると、裸にされたシャンク兼靴底が恥ずかしそうだ。
ひょっとしてここにフェルトを貼れば使えるんじゃない?
もちろん何十年も経っているのでいつ他のところが壊れるかわからないが、この平らな靴底を眺めていると無性に直したくなってきた。
そこで、いちおうSIMMSのシューズリペアを調べてみる。
すると購入した時の保証書が必要になるとのこと。そんなものはとうにない。
もしも修理してもらえる場合、フェルトの交換は7,000円(税別)、ミッドソールが減っていた場合、3,000円程度となっている。
つまり最低でも11,000円(おそらくもっと)かかる。
いつ壊れるかわからないシューズにそれだけかけるのはどうかと思う。それに保証書なんてないし。
そうやって調べていたら、このウェーディングシューズの名前が分かった。「フリーストーンブーツ」というらしい。中古品のオークション現在価格が17,000円となっていた。
新たに買おうとしたときの予算とほぼ同じだ。
そうしてネットで色々とみていくうちに、同じシューズのソール張り替え動画がヒットした。
この動画は靴修理専門のお店の方がやっていたが、とても参考になった。するとDIYでソールを張り替える動画が次々と紹介される。
そこで、そのほとんどを見たが、ぼくのほど古くなくてもソール剥がれはよく起きているらしい。
それによく使う人は1年足らずですり減ってしまうこともわかった。
靴修理専門の方はとても綺麗に仕上げていたが、DIYのほうは接着剤がはみ出していたり、ソールの形が凸凹だったりとわりとラフ。
これらを見て、がぜん修理意欲が湧いてきた。
直してどれだけ長く使えるかというよりも、とにかくやってみたくてしょうがなくなった。
だって、フェルト底の張り替えなんて、ほとんどの人は経験しないでしょ。
それをやる機会ができてとてもラッキーという気持ち。
最後に
ウェーディングシューズには様々な種類がある。
まずはソールの違い。
フェルトソールかラバーソールか。
フェルトでもピンが打ってあるものや溝が切ってあるものなどバリエーションがある。
フェルトは苔の上を歩くときに滑りにくいということだ。
そしてフェルト底でも踵のあるものや平らなものがある。
ぼくのフリーストーンブーツはその中間で、踵からなだらかに土踏まずの方へ流れていく。
シューズ自体も靴底が柔らかくてよく曲がるものやぼくのシューズのように硬いシャンクが入っていて尖った岩場の上を歩いても足の裏が痛くならないものもある。
柔らかいシューズは岩にピタッと張り付いて滑りにくいということだ。それに軽くもなる。
修理をするにしても、いつ壊れるかわからないので、やはり新しいのも欲しい。
ネットで探してみると、ほとんど在庫がない状態だった。それにやっぱり試し履きをしてから買いたい。
とりあえず修理すれば時間が稼げる。
さて、どのように修理するか。それを考えるのもまた楽しい。
ミッドソールを前と同じようにするのは難しいので別な方法を考ることとしよう。
では、このへんで