1月11日は鏡開き。
年神様の魂が宿った鏡餅を食べて無病息災を祈る行事だ。
そのとき、餅を「切る」とか「割る」というと縁起が悪いので「開く」というようになったとか。
最近の鏡餅はパックに入っている。
我が家で買ったのは、二段のように見えてもくびれているだけで上下がつながっていた。
それに空気に触れていないので割れてくることもない。
これはこれでいいことなのだけれど、やっぱり小さくするのに包丁で「切る」必要があった。
そしてそれをお汁粉にして残さずいただいた。
ゆであずきの缶詰
用意していたおしるこ用のゆであずき。
それがなんと最近ほとんど見かけなくなった昔ながらの缶詰。
昔ながらというのは缶切りで開ける缶詰だったのである。
最近の缶詰はプルトップを引いて蓋を開けるというものがほとんど。だからこの缶詰もてっきりプルトップ缶だと思っていた。
ところが、蓋を開けようとしたらこのプルトップがない。もう一度裏返して反対側を見てみた。
やっぱりない。
それでようやく昔ながらの缶詰であることに気がついたというわけである。
そのとき思ったのは「さて、我が家に缶切りはあっただろうか」ということ。
戸棚の引き出しや、食器棚の隅などを探してみたが見つからない。
それもそのはずだ。もう何十年も缶切りなんて使ったことがない。
探している間、ぜったいに一つはあることを確信していた。それは缶切り専用器ではなく、缶切りのついているアーミーナイフをもっていることを覚えていたからだ。
いよいよ缶切りがないことがはっきりしたので、こんどはアーミーナイフを探しにかかる。
こちらはすぐに見つかった。
赤いアーミーナイフ
現在、赤いアーミーナイフは3本持っている。そしてそのどれもに缶切りがついていた。
昔は缶切りが必需品だったのだ。
初めに買ったのはビクトリノックスの安いもの。これはあまり使わず、登山の時の非常用品と一緒に持ち歩いていた。
2つ目に手に入れたのは、昭和の時代にヨーロッパ旅行に行くという後輩に餞別をあげたところ、お土産に買ってきてくれたウェンガー(2005年、ビクトリノックスの傘下に入る)のもので、こちらはストッパー付きなので安心してガンガン使ってきた(よって歯が少し欠けている)。
最後のものも、やはりヨーロッパに行った後輩から送られたもので、ビクトリノックスの”キャンピング”という名が入ったものだ(こちらはまだ一度も使っていない)。
ビクトリノックスとウェンガーでは缶切りの形状が違う。
前者は先がマイナスドライバーを兼ねていて押し切り、後者は鎌のような形状をしていて引き切りというった大きな違いがある。
今回、ゆであずきの缶詰を開けたのは、使い慣れたウェンガーのものだ。それに日本の缶切りは引き切りがほとんどであった。
はじめの一挿しはぐっと奥まで挿し込んだ。するとバネが戻って先端がお辞儀をしてしまい、抜くのが大変だった。
次からは軽く押し込み、ちょこちょこと缶の蓋を切っていくと、少し時間はかかったが細かくて綺麗な切り口で蓋を開けることができた。
そういえばこの缶切りで缶を開けたのは初めてかもしれない。
アーミーナイフの缶切り、意外と優れものだったのである。
最後に
今年、餅焼きにはじめてフライパンを使ってみた。
最近では魚焼きはほぼ全てフライパンに専用のアルミシートを敷いて焼いている。
これだと片付けが楽なのである。
それで、ひょっとして餅も焼けるのでは? と思ってアルミシートの箱を見てみると・・・やはり書いてあった。
また、お雑煮のレシピを見ていた時にオーブンで餅を焼くコツとして、止まってから数分蓋を開けずに置くと中までしっかり柔らかくなることが書かれていた。
だから、フライパンで焼いた後に蓋をして弱火にしておいたら、子供の頃ストーブで焼いていた時のようにぷっくらと膨らんだ。
それにアルミシートはほとんど汚れないので何度でも使えるのである。
今年の鏡開きは、この方法で鏡餅を焼き、まあるく綺麗に開いたゆであずきの缶詰のお汁粉をいただいたのだった。
では、このへんで
広告