時折小雨が降る中、大山阿夫利神社まで登ってきた。
最近は早起きというものができない。
そのため、早朝出発というわけにはいかなかった。
遅寝遅起きの習慣がついてしまい、たまに早くベッドに横になっても眠ることができない。
ちょっとだけ早く起きられた(早くもないが)ので、チャンスとばかり山登りをしてきた。
大山登山
この日の朝は、8時に起きることができた。床に入って6時間なので少々寝足りないが1日くらいなら活動できるだろう。まずは天気を調べてから出かけることにした。
天気予報は曇りで、午後からの降水確率は30%だった。まあ、降られても大振りにはならないだろう。
準備を終えていざ出発。玄関を出るとポツポツと雨が降り出した。まあ、行けるところまで行ってみようと自転車で走り出した。
残念ながら例のごとく準備に時間がかかり、出発は10時になっていた。
途中で雨も止み、伊勢原駅の駐輪場に自転車を止め、駅を跨いで向こう側のバス乗り場に行く。大山ケーブルという看板のあるバス乗り場には一人も並んでいなかった。時刻表を見ると、ほんの1分くらい前に出たばかりだった。
バスを待っている間に雨が降り出した。一瞬、登山をやめて帰ろうかとも考えた。しかし、カッパを着てもときた道を引き返すのも億劫だな、などと考えていたらバスが入ってきた。勢いでバスに乗る。他に数人登山客がいるようだ。
鹿との遭遇
バスの終点に着くと小雨になっている。11時35分だった。トイレに行き、軽く準備運動をして歩き始める。
こちらが登ろうとしてるときに、下山してくる人たちも多かった。「山は明るいうちに下山するのが鉄則」だよなあと思う。
みやげもの屋の並ぶ「こま参道」を通り過ぎ、別れ道に来た。左に行くと女坂、右は男坂だ。今回は久しぶりに男坂を行くことにする。男坂はいきなり壁のような石段に取りつかなければならない。ここで転けたら間違いなく下まで落ちるので、慎重に登る。
その後も石の階段がたびたび現れるが、両脇についた苔が雨に濡れて輝いていた。
慎重に石段を登って下ばかり見ていたら、登りきって踊り場のようにひらけたところに出た。ふと顔をあげると鹿がつぶらな瞳でずっとこちらを見ていた。
こちらが気がつくと少し後ろに飛び退いたが、そこの急斜面で草をはんでいる。写真を撮ってさらに動画も撮っていたらもう一頭やってきて、こちらを伺っている。それから最初の一頭の近くに行き、さらにこちらを警戒していたが、そのうちに向こうへ行ってしまった。
最初の一頭は全く警戒せず、お尻を見せて草を食みゆっくりと移動していった。
そうしている間にも下山してくる人にたくさんすれ違った。濡れた岩は滑りやすいようで、滑って転ぶ人や転ばないまでもずるっと滑る人たちがいた。
エスビットでやけど
12時40分頃に阿夫利神社下社に到着する。まずは賽銭用のコインをザックを下ろしてから取り出し、参拝する。
雨はいつのまにか上がっていた。木を割った素朴なベンチにビニールシートを敷いてそこで昼食にする。ザックを下ろし、エスビットを取り出す。続いてシェラカップに水を入れて準備をする。
今回はエスビットに取り付ける風除けを両側に装着してみた。それからシェラカップが乗るように半分蓋を閉じる。
ところが、両側の隙間に風除けを取り付けてしまうと固形燃料に火がつけづらい。片側の蓋を少し開いて固形燃料のタブレットを取り出して手で持ち、そこに火をつけた。
前回はなかなか火がつかなかったので、今回もしばらく持っていた。ところが今回は違う種類の固形燃料を使ったのですぐに火がついたようだ。というのは炎が見えなかったのである。
「あちっ」と条件反射でタブレットをエスビットの中に落とす。蓋が半開きなので閉めようと左の親指で押したときだ、「あちっ」どころか「アツー!」と触れた面積分の熱さが伝わってきた。
その後ジンジンと痛みがやってくる。ひとまずシェラカップの中に指を突っ込む。少しはいい。続いてペットボトルの水をかけて冷やす。しかし、痛みはひかない。
とりあえず、右手に手袋をはめてシェラカップを持ちながらお湯を沸かした。そこにインスタントコーヒーを投入。
続いて救急キットを出して、塗り薬はないか探してみたが、虫刺されの薬だけだった。医者に処方された抗生剤の残りを入れておこうかとまよったのだが、有効期限切れなのでやめたのだった。
とりあえず、バンドエイドを巻く。1枚では足らないので2枚巻いた。
これで多少落ち着いた。
駅に向かう途中で買ってきたおにぎりとパンを食べる。痛みはあるが、触らなければ耐えられる痛みだ。
ヤマビル注意
13時40分、大山の頂上へは向かわず、山の斜面を横切り、全体的には下っていくコースに向かった。時間が遅く少し距離もあるが、急斜面がないのでコースタイムより早く歩けると思ったのである。
しかし、後から地図を見てみると、コースタイムより時間がかかっていた。
次の目標は高取山なのだが、これがなかなか着かない。なだらかな道ではあるが、微妙にアップダウンがあるのでなかなか進まないのである。
一部林道を通るのだが、親指と人差し指で丸を作ったくらいの石がごろごろしているなだらかな下り坂を歩いているとき、ずるっと足が滑って尻餅をついてしまった。
そのとき左足首を捻ったらしく、歩くと痛みがあったので少し休む。ゆっくり足首を回していたら痛みが引いたので再び歩き始める。
しばらくして、足元を見るとズボンの右の裾に赤い実を潰してできたようなシミが付いていた。ちょうどふくらはぎのあたりである。「どこかで潰れた赤い実をつけちゃったかな」と思って気にしなかった。
高取山手前の不動越という林道に出る直前でトレイルランニングの人に追いつかれた。
「どこまで行かれるのですか」と聞かれたので「鶴巻まで」と答えると、「ライトがいるかもしれないですね」と指で丸を作っておでこに当てた。「ぎりぎり大丈夫かと」と言ったが、その人は「あと8キロくらいあるんじゃないですかね」と言いながら走っていった。
そう言われて、8キロはないと思う(たぶん7キロくらい)が、ライトは必要かもしれないと思う(もちろんライトは持ってきている。ヘッドライトは新品だ)。そこからは急足になって高取山まで向かった。
高取山の頂上に着いたのは15時40分で、阿夫利神社から2時間かかっていた。頂上のベンチに腰掛けながら、地図を広げ、補給食を摂りながらどうするかを考える。
高取山から鶴巻までコースタイムで2時間15分だった。休まず歩いても18時頃になってしまう。
そこで、早く山から降りられるコースを行くことにした。以前歩いたことのある聖峰を通るコースである。この山は急な山だが斜面に木がないため道が明るいと思ったことと、早くに人里に降りることができるからである。
そしてまだ明るい16時40分頃に林道まで下りてきた。とりあえずホッとする。高取山あたりからブヨがまとわりついていたので追払い、そういえばヤマビルがついていないかと、帽子を取って確認し、それから体へと上から順に確認していくと、ズボンの前ポケットあたりに小さな虫が付いていた。よく見るとヤマビルだった。
軍手をした手で振り払うと今度は軍手についてきた。いくら振り払っても取れない。そればかりか軍手の網目から入ろうとする。そこで落ちていた木の枝でやつを地面に押し付けて取り去った。
まてよ、ひょっとしてズボンの赤いやつは? ズボンの裾を見るとそこにもやつがいた。そいつも枝で引き剥がす。そしてズボンをまくってみると、「やられた!」。血が固まってへばりついていた。
さらにまくり上げてみた。どうやらいないようだ。よかった。しかし、油断はできない。
ヤマビルの対処法
以前、雨の日の渓流釣りのあと家に帰ったら、ヒルを連れて帰ってしまったことがある。あのときはマヨネーズをかけて息ができないようにして引き剥がした。
駅まで歩く
歩いていく途中に三之宮比々多神社がある。そこで無事に下山できたことに感謝し、トイレで手を洗い顔を洗わせてもらうとスッキリした。
近くのバス停には17時30分に着いた。次のバスまで45分くらいあったので伊勢原駅まで歩くことにする。駅まではちょうど30分かかり、18時に駅に着いた。ホームを跨ぐ橋の階段を下りるときに少し膝が痛かった。
疲れてはいたが、自転車に乗ると脚がとても楽なので驚いてしまった。使っている筋肉が違っているということだ。
家に帰ると風呂場に直行し、慎重に確認しながら服を脱いだ。幸いヤマビルを連れてきてはいなかった。そのままシャワーを浴びる。念のため、ザックも表だけでなく、荷物を出して内側も点検。無事だった。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
やっぱり反省点としては、明るいうちに下山する計画で登山しなければいけないなあということです。
そのためにはちゃんと朝早く起きれるように生活を変えていかなければいけないとあらためて感じました。
それから火傷しないためにチャッカマンのように先から火が出るライターが必要だと思い、ローソンで売っているという人気のガストーチを4軒も探しまわってみましたがどこも置いていませんでした。
SOTOのトーチとそっくりで500円プラス税ということらしいです。
では、このへんで
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