先日、自転車の足馴らしに七沢温泉まで往復して来た。
まだまだ体力が残っているなと感じたので、今度はそれに低山歩きを加えてみた。
今回の山歩きでは、最近購入したザックとトレッキング・ポールを試してみることも目的の一つである。
なお、今回はいつもより少し長めになっていますので、お時間のある時にでもお読みただけたら幸いです。
自転車登山
今回の低山歩きは自転車で広沢寺温泉に行き、そこから身城山と隣の日向山へ登る。そこから尾根づたいに進み、玉川上流の大沢川まで下って向こう岸に渡り、川に沿った林道を下って元の場所に戻る計画である。
広沢寺温泉は、先日走った七沢温泉の近くで、2キロと離れていない。
35L(リットル)の新しいザックを背負って玄関を出る。靴はサロモンのローカットだ。
自転車はルイガノMTBで行くつもりである。こちらの方があまり前傾姿勢にならず、また、サドルも柔らかい。
ところが、いざロックを解除しようとキーをみたら、間違えてジャイアント・ランドナーの方を持って来てしまっていた。また家の鍵を開けて靴を履きなのすのも面倒なので、ジャイアントの方で行くことにした。
こちらの自転車の方がタイヤが細くママチャリと同じようなパターンなので、MTBのブロックタイヤに比べて転がり抵抗が小さい。このため進むのは楽なはずだ。ただし、ザックの重さは6.5キロほどあり、かなり前傾になるので腕に重さがかかる。サドルも少し硬いのでお尻が痛いというか尿道が圧迫される。
時々お尻を浮かせたり、前後させながら進んでいくが、重い荷物を背負っていると、体の動きが制限されて乗りにくかった。やはりスピードは出せなくても、MTBの方が楽だっただろうなどと考えながら漕いでいく。
途中コンビニでおにぎりを買い、足馴らしのときと同じ道を進む。家を出発したのは11時頃で、到着は12時15分くらいだった。
見城山へ
広沢寺温泉の駐車場に自転車を止め(ロードバイク用のサイクル楽が設置されていた)、水道から水を補給して12時20分、すぐ隣の愛宕社から身城山に向けて登り始める。
石段を登ると社の手前から右に登山道が伸びている。すぐに樹林帯の中に入る。すると顔の周りに虫がまとわりついてきた。この前の巡礼峠のように逃げ出すわけにもいかないので、ポケットに入れていたマスクをして軍手をはめた。頭にかぶっていた帽子は少し深く被る。半袖Tシャツだが腕にはアームカバーをしており、下は長ズボンなので露出部分は僅かである。
ここで、先日せっかく買った虫除けスプレーを忘れたことを悔やむ。次回は絶対忘れないようにしようと思った。
そうしてできるだけの対策を取り、さらに腕を振って虫を払いながら急な坂道を登っていく。
少し歩くと、家を出る時から掛けているサングラスの鼻当てのところが痛み出した。じつは普通のメガネの上にスポーツグラスをかけている。できるだけ隙間を開けたくないので、メガネをしまい、スポーツグラスだけをかけることにした。
このとき虫をよくみてみると、蚊よりも肥っていて体が重そうだ。どうやら蚊ではないらしい。はっきりとはわからないが、勝手にブヨ(ブユ)ということにする。
人の何に引き寄せられるのだろう。頭の周りをぶんぶん飛び回っている。腹の当たりをみると憎らしいくらいたかっていた。しかしそれも近くで腕を払うと一旦は飛び去っていく。
尾根道に出た。前に七沢温泉側から登った時はかなりキツく感じた尾根道である。あの時は風が強かった。だが今回は虫の問題以外は穏やかでとても歩きやすく感じる。
平坦な尾根道から急な上りへと変わるがずっと樹林帯の中である。
木漏れ日を浴びながら登っていくと、途中に少し開けた日の当たる場所があった。そこに立つと少しだけブヨの数が減った。あいつらはどうも薄暗い場所が好きなようだ。
身城山とは、昔あったという七沢城の物見を山頂に置いていたことで付いた名前の山である。名前の通り、標高375メートルの頂上までいかなくともその開けた場所から西側の平野が樹間から遠くまで見通すことができた。
13時20分山頂に立つ。通常コースタイムは50分だが1時間かけて登って来た。
そういえば、途中からトレッキングポールを初めて使っている。平地で腕が90度の位置にくる長さ(自分の場合107㎝)に合わせて使ってみたが、これだとどうやや長すぎるようだ。腕が疲れるのである。
そこで、5㎝ほど短くしたらちょうどよかった。バランスを崩すことがなく、とても安定してよろけずに歩くことができた。
日向山へ
前回、見城山山頂から鹿柵の扉をくぐり、急斜面の道なき道を下って苦労したが、今回は迷わずに元来た道を少し戻って日向山に向かった。日向山は標高404メートルである。
見城山から一旦下り鞍部までくると、大沢川沿いの林道に下りる道と、鞍部を乗り越えて七沢側に下る道とが交差している。
この手前で夫婦連れらしき人に会った。どちらも半袖を着ており、奥さんは団扇で顔を扇いでブヨを避けていた。しかし、腕を出したままで大丈夫だったろうかと余計な心配をする。
再び登り返し、日向山を登っていくがどうも力が出なくなって来た。エネルギー不足である。
本当は見城山山頂でエスビットでお湯を沸かしておにぎりの昼食を食べる予定でいたが、ブヨ攻撃のために諦めてすぐに下りて来ていたのだ。
登りの途中にわずかな陽だまりがあったので、登山道の真ん中で立ったまま昼食とすることにした。もちろんずっと顔の周りを手で払ってはいたが、おにぎりに群がってくるようなことはなかった。そうやって2個のおにぎりとペットボトルに入れた水を飲み、10分程度休んでからまた歩き始めた。
歩き出してみると今度は腕が重くなってきた。
ストックを買う時、店員さんに使い方を教えてもらった。ストックで推進力をつけられますよということだった。そうやって歩いてきたところ、腕が疲れてしまったのだ。
つまりはストックに頼り過ぎていたということである。そういえば、ストックに頼りすぎると腕が疲れるということも言っていたっけ。
とりあえず体で理解したところでは、登る際は足をメインにして登ること、ストックはあくまでも補助で使うようにする。そうしないと腕がすぐに疲れてしまうということだ。
おそらく、平坦な道で使えばストックで推進力を得ることも可能だろう。だが、腕の力の弱い自分にとってはあくまでも補助的に使わないと腕がもたない。
こうして緩やかな登山道を登っていたらあっけなく日向山山頂についた。14時5分だった。
日向山山頂には1778年に建てられたという石の祠が建っている。当時はこの祠に弁天さまが祀られていたようである。
ちなみに弁天さま(弁財天)は豊穣の神で、音楽や知恵の神でもあるが、ここの案内板によると「水の神様」だそうで、干ばつや水害から地域を守ってくれることを願ってここに祀られていたそうである。
なお、この祠には見覚えがある。前に来たのはもう30年以上も昔のことである。
弁天の森キャンプ場コースを行く
頂上から向こうに続く道もやはり緩斜面の尾根で、そこをすこしずつ下っていく。しばらく行くと、鞍部になり道が前を横切っている。左に行けば日向薬師である。そのまま真っ直ぐ進むと梅の木尾根になり、途中から大沢川に降りられる道があるはずである。
ここから日向薬師に降りるのが般的なハイキングコースである。
また、日向山頂上にあったコース案内図には、そのコースのほかに大沢川に下りるコースも書かれていた。ところが、まっすぐ尾根道を進んでから沢に下りる道は描かれておらす、別なルートが示されていた。
2万5線分の1の地形図をみると、その別なルートは途切れていて一部分しか描かれていない。
ここは予定のコースではなく、案内板の地図の方を信用して行ってみることにした。
初めはちゃんとした道であったが、急な斜面に棚のようにつけられた細い道に変わり、人の踏み跡は見えない。
突然、山鳥が飛び立ちビクッとする。その後も上の斜面と下の斜面で山鳥が鳴き、歩いている姿を見た。短い間に3羽の山鳥を見た。
熊がでやしないかとヒヤヒヤしながら歩いていくと、左に曲がる斜面の陰に茶色い毛の動物の後ろだけが見えた。
熊かと思いびっくりして後退りする。どうやらこちらには向かってこないようだ。しかし、念の為もっともっと後ろに下がった。そして、メガネを取り出し、スポーツグラスの下に掛けた。
さっきのは一体なんだったのだろう。
冷静に考えると茶色い毛だったので、熊ではないだろう。写真や動画で見る限りクマの毛は黒い。そう思い直して慎重に前に進む。先程のカーブ地点を越えても動物の姿はない。ほっと安心する。
そこからわずかの距離で沢に下りる道があった。そこを下っていくと割と広い河原にでる。上流には堰堤があり正面の崖の上にはガードレールが見えた。
川には大きな石が飛び飛びに3つ並べられていてその石の上を通って向こう岸に渡った。そこから下流に向かって踏み固めて整地された細い道が続いていた。おそらくここが閉鎖された弁天の森キャンプ場があった場所だろう。しばらく行くとアスファルトの林道に合流した。
あとは舗装された道を下っていくだけである。
相変わらずブヨはまとわりつくが、こころなしか数が減っているようである。あまり人が歩かないであろう道を一人でくだっていき、見城山への登り口を通り過ぎる。そこをすこしくだると、大釜弁財天がある。
そこに自然の石の祠があり、大石の上を滝になって水が流れ落ちている。
そこでお参りをしていると、ひとりの登山車が道を下って行った。おそらくさっきの見城山登山口に下りて来たのだろう。
15時半に駐車場に着いた。すると途中で追い抜いていた先の男性も下りて来て水道で顔を洗いはじめた。続いてこちらも顔を洗い、ペットボトルに水を補充する。
先の男性は黄色いバイクに乗って去っていった。
こちらは、これから自転車で帰らなければならないのでゆっくり休み、16時に出発して家に向かった。途中どこも寄らずに帰ったら、50分で家に到着した。
最後に
低山歩きは体力的には楽だが、人があまり歩かない道は荒れており、さらに迷いやすい。
今回の道は通ることはできたが、少し土砂が崩れていて慎重に歩かなければならないところもあった。
それに、2万5千分の1の地形図に道が描かれていても、最近はほとんど歩かれていない道もあるだろうし、逆に描かれていないこともある。
そういったことを想定して別ルートを考えておくことや、地図がしっかり読めるように練習しておくことが大切であると感じた。
それに駐車場にある登山届けのポストには用紙が備え付けられていなかったので、事前に家で用意しておく必要があると思った。
もし、崖から落ちたら発見されにくいだろうことが予測される。他の登山者が滅多に入らない道を行く時は、低山でも届を出しておきたい。
以上、今回は少し長くなってしまいました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
なお、新しいザックについてはあらためて書いてみたいと思います。
では、このへんで
初めて使ったトレッキングポールはこちらです。
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