Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

歩き通した充実感 【南八ヶ岳主脈縦走】

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横岳 (リバーサルフィルムをデジカメで複写 以下、全て同じ)
 
登山シリーズはまだまだ続く。
穂高に登る1ヶ月前には八ヶ岳に登っている。
このときも金曜の夜から日曜日までの休日を使って登った。
 
八ヶ岳の稜線は南北に長く伸びていて、中間地点の夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けることができる。
南八ヶ岳は岩のゴツゴツした山域である。一方、北八ヶ岳は森林地帯である、らしい。
北八ヶ岳は歩いたことがない。
 
今回登った山は硫黄岳、横岳、主峰赤岳、権現岳、編笠山である。いつもながらに体力のなさを実感する縦走となった。

通勤列車で山行

1986年9月5日の金曜の夜、新宿を8時10分発の中央線小淵沢行きの各駅停車に乗る。周りは通勤客でいっぱいだ。大きなザック(とはいえ40Lのサイズ)を持ち込むことが申し訳ないような感じる。
 
肩身の狭い思いをしながら小さくなって乗っている。ところが、いっこうに乗客が降りていかないのである。一体どこまで行くのだろうと思っていたら、相模湖駅で約半分が降りた。そしてその次の藤野で残り半分が降りた。新宿からここまで1時間20分もかかっている。こんな遠くから通勤している人がいっぱいいることに驚く。ただ、そういう自分も新宿から1時間もかかる駅から通っていたのだが。
 
さて、わが列車は予定より少し遅れて11時25分に終点に到着した。ここまで3時間15分の旅。今夜は小淵沢の駅に泊まる。

稲子湯から硫黄岳

翌朝、6時過ぎの小海線に乗る。松原湖駅からバスで稲子湯まで行き、ここから登山を開始する。
 
稲子湯から歩きはじめたのは8時半、ミドリ池に10時に着く。ここで少し休憩し、本沢温泉を目指す。
 
天気は晴れたり曇ったりのおかしな天気で、クマザサでズボンの裾が濡れてしまった。
 
本沢温泉で水を補給して10分ほど休憩、ここの宿の裏手にいくと日本最高標高の野天風呂があるのでちょっと見物に。誰も入っていないがまる見えだ。傾斜地に湯船が作られていて、小屋などは何もない。
 
本沢温泉を11時20分に出発し、1時間で夏沢峠に到着した。ここで昼食をとる。
 
このころからだんだん雲行きがあやしくなり、硫黄岳に登り始めると本格的に雨が降り出した。ガスもどんどん濃くなって行く。
 
ガスが発生すると石に描かれた目印が見えにくくなる。硫黄岳の山頂付近は広くなだらかなため、道を見失ってしまいヒヤッとした。それでもどうにか山頂にたどり着くことができ、ほっとする。
 

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稲子湯〜観音平までを赤い線で示す。

 

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硫黄岳山頂にて

 

道に迷う

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ガスに包まれた硫黄岳山頂 
 
ところが、今度は赤岳鉱泉へむかう道へ迷い込んでしまった。本来は横岳、赤岳へ続くルートを行くつもりである。間違いに気づいたのは350メートルほど下ってからだった。それからもと来た道を必死になって登り返し、再び硫黄岳に着いたときはすでに午後3時40分になっていた。
 
この時点で赤岳石室(現在の赤岳展望荘)まで行くのは諦め、今日は硫黄岳石室(現在の硫黄岳山荘)に泊まることにする。
 
今度は間違えずに進み、約10分ほどで硫黄岳石室に到着。道を間違えたことにより心理的にも体力的にもくたくたになっていた。
 
 

主峰赤岳登頂

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横岳からの硫黄岳 手前に硫黄岳石室が見える
 
翌9月7日は晴れていた。このまま1日持ちそうだ。
今日はだいぶ歩かなければならないので5時20分に歩きはじめた。歩き出してみると疲れがねけておらず足元がしっかりしない。しんどい1日となりそうだ。
 
20分で横岳に到着する。この横に長い山を通過するにはカニの横ばいという危険な箇所を通らなければならず、緊張してしまった。
 
6時40分、赤岳石室(赤岳展望荘)に着く。当初宿泊予定だった小屋だ。ここで20分ほど休憩し息を整えてから赤岳の急な斜面に挑む。
 
赤岳への登りは急でハードだ。チョコとビタミンC入りのレモンキャンディーを交互に舐めながら、そして喘ぎながら主峰を目指した。なんとか20分ほどで赤岳に登頂する。
 
赤岳を乗り越えて険しい道を下った先にはキレット小屋がある。山頂からは1時間10分かかった。キレットという言葉は穂高にも大キレットがあるが、山と山とをつなぐ稜線が鋭く切り落ちるところをいい、「切戸」と書いて日本語である。一説には長野の方言という。
 
ここからは権現岳を目指す。権現というのは仏教用語で仏や菩薩が権(仮)に現れるということで、のちに神に対しても使われるようになったようだ。そんなことを思わせる山容であり、山岳宗教の山である。
 
キレット小屋から権現岳まで1時間10分かかったので、キレット小屋は赤岳と権現岳のちょうど中間地点にあるということだ。
 
権現岳から青年小屋までは45分、そこから5分のところに乙女の水という水場がある。ここで昼食をとった。
 

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横岳にかかるガスが風になびく
 

編笠山からの長い下り

そして最後に目指すのは編笠山である。編笠山はまるで編笠を伏せたようななだらかな斜面のやさしい山容である。これまでゴツゴツした岩場を歩いて来たのでとくに優美に感じられた。不思議なことに気持ちまで柔らかくなってくる。
 
 
 
それにしても山では天気は重要だ。晴れていればなんでもないところでも雨や霧ではルートを見失ったり滑ったりする。
今度北ヤツ(北八ヶ岳)に登るときは晴天の時を狙ってゆったりとした日程で臨みたい。
 
なお、当時の写真が一部しか残っておらず、さらに状態も悪かった。かろうじて見られる写真のみを掲載したので少し偏っていることをお詫びします。
 
では、このへんで
 

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