Hakuto-日記

定年後を楽しく、生きたい人生を生きる!

病室日記「わたしはあなたが社長のつもりで話してるんだよ」

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久しぶりのブログになります。
骨折手術で入院し、すでに退院はしましたがなかなか気持ちの方が盛り上がって来ませんでした。
ともかくギプスが取れてなんとか左手も使えるようになり、両手が使えることのありがたさを感じています。
今回は、病室の大部屋(6人部屋)で出会った(顔は知らないけれど)人のお話です。

 
世の中にはちょっぴりわがままだけど憎めないという人がいます。
あなたの周りにもきっとそんな人が一人くらいはいるのではないでしょうか。
そのひとは、私が入院するまえからそのカーテンの中に寝ていました。
というのは、話を聞いていると尻餅をついて腰を骨折したために絶対に安静にしていなければならないらしかったからです。


しかし、アクセントになまりがあるその声は大きく、そしてよくしゃべるおじさんで聞こうとしなくても聞こえて来てしまうといった感じでした。
看護師が定期検査にやってきて検温、血糖値、血圧を測るとその都度数値が高いとか、以前と比べてどうだとかという話をします。
また、病室には看護師のほか、リハビリの人、給食の人、清掃の人、ゴミ捨ての人、お茶汲みの人などが出入りしています。


ところが、そのおじさんは来る人が誰でも構わず色々なことを頼みます。
たとえば、悪いけどその水を捨ててくれないかとゴミ捨ての人に頼んだり、清掃の人にベッドの位置を直して欲しいと頼んだり。

 

わたしはあなたが社長のつもりで話してるんだよ

あるとき、コルセット製作会社の人が病室を訪れました。コルセットが出来上がったので試着してもらいに来たようです。カーテンの向こうに入るといきなり
「後から電話でカード払いができないってどういうこと」
と大きな声がしました。


どうやら注文を受けた担当者がカードで払えると言っておいて後からダメだと言ってきたようで、今日コルセットを持って来た人とは別なひとのようです。
いきなり怒鳴られてどうするのかと思ったら、
「ボクが言ったわけじゃないのでボクに言われても・・・」
お、これはまずいんじゃないと思ったら


「わたしはあなたが言ったかどうか言ってるんじゃなくて、あなたの会社の代表者のつもりで言っているんだよ。あなたが言ったかどうかではなくてあなたは会社の代表としてきているんだよ。社長を呼べとは言わないけれど、私はあなたが社長だと思って話しているんだよ」


うん、ごもっとも。するとコルセットを持って来た人は笑いながら
「ボクもそう思います。ボクも聞いていておかしいなと思いました」
ちょっとピンとがずれているけれど、全く感情的にならずに対応しているところは大したものです。


そしてカード払いができない訳や役所に還付の申請をする方法の説明をはじめました。するとけが人のおやじさんは

「一旦払ってから払い戻しの手続きを顧客にやらせるのかい。だったら手続き方法を書いた紙でわかりやすく説明してくれてもいいじゃない。おたくはこの病院と提携かなんかして競争相手がいないから殿様商売しているんじゃない。オレだって商売しているけどそんなことしないよ」

「本人が申請する必要があるので」とコルセット業者代表が答えると
「たぶんやらないと思うよ。手続きする時間がもったいない。時給に合わないよ」


そうこうしているうちにケガのおっさんの怒りもおさまり、コルセットを合わせはじめて脇の下が少し窮屈なのであと5センチ下にしてほしいとか言っていました。業者の方は直すなら1週間くらいかかるようなことを言って、結局ないと困るのでそのまま付けることになったようです。

 

おやじさんは、業者が帰ってから会社の事務員か奥さんに還付の手続きをするように電話で連絡してました。
それから、コルセットを合わせるために立ち上がったことを看護師さんに言って怒られていました。

もう三日も溜めている

ここからの話は下の話になるので嫌な方は読み飛ばして下さい。

そのおっさんは、入院してからずっとガマンしていたようです。
「牛乳を飲むと一発だから飲まないようにしてるんだよ。トイレに行かせてくれ。だってベッドの上じゃできねーよ。恥ずかしいし嫌だよ。オレ先生に交渉するから」
そういって看護師さんを困らせていました。

 

結局いくら交渉しても「絶対に立ち上がっちゃダメ」ということで、仕方なくベッドの上で用を足したようですが、それでもできるだけ我慢をしていました。
その気持ちよーくわかります。
看護師さんのほうは慣れていますが、入院したのが初めてだと当然そう思います。小の方だって抵抗があるくらいですから。
けれど、下のお世話までしてくれる看護師さんには頭がさがります。

 

携帯電話で話す仕事の指示なんか全部筒抜け。
ずっとカーテンの向こう側だったのでとうとう顔はみられませんでしたが憎めない社長(おやじ)でした。

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最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

このおやじさん、工務店か何かの社長さんのようでした。一体どんな人だったのでしょう。体重は90キロくらいあるようなことを言っていました。

ちょっと面倒くさい感じなのですが、本当に用事のある時しかナースコールはしませんでしたので、常識のある方だとは思います。

電話で話すのも簡潔で、朝夕は電話はかかって来ませんでした。

だれかれとなく用事を頼んだのは、おそらく病院で働く人はみな病院のひとだと思ったからだと思います。

入院が初めてで病院に縁のない人ならいろいろな業者が仕事を請け負っているということにまで頭が回らなかったとしても仕方ありません。

わたしもこの2年で3度の入院で周りを眺める余裕もでてきました。

特に今回は肘の時に比べて痛みが少なくて助かりました。

また来年、金具を抜くために手術をしなければならないので4度目の入院がまっています。

なお、自慢にはなりませんが左手だけで3度目の骨折でした。

皆さま、特に自転車に乗っている方、どうぞお気をつけください。

では、このへんで

 

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