山登りの下りで膝が痛くなったことはありますか?
大半は膝関節ではなく、その周りの筋肉や骨と腱とがこすれて炎症を起こすことが原因だそうです。
実際にわたしが下山中に痛くなった膝の状況とその原因にいついて調べてみたので、今回はそのことについてお伝えします。
あなたの膝の痛みに役立つことがあったら嬉しいです。
【目次】
一般的に多いのは大腿四頭筋の疲労が原因だそうです。
確かに翌日はそこに痛みを感じています。
それにより、登山後半の下山途中に太ももの外側と膝の内側に痛みが出たようです。
根本原因は運動不足であると考えられます。普段は痛くありませんし、すぐに痛くなるわけではないからです。
けれど、もう少し具体的にどの筋肉がどういう原因で痛むのか、そして今後、どのように鍛えていけば良いのか、また、補助的に効果のある道具について調べてみました。
痛みの直接の原因は、どうやら腸頸靭帯(ちょうけいじんたい)いう太ももの外側と鵞足(がそく)と呼ばれる膝わまりの腱の炎症によるためのようです。
そして、根本的には歩き方の問題があることに気がつきました。
下山中の痛みと翌日の痛み
下山中に感じた痛みとは、はじめに膝の外側が痛み出し、続いて内側も痛くなっていきました。
そのとき、太ももの外側を触ると、筋肉がカチカチになっていて、押すと痛みを感じました。
ストレッチしたりマッサージしたりしながら、なるべく膝に負担をかけないために大股にならないようゆっくり下って、なんとか下の林道までたどり着くことができました。
林道からはほとんど痛みを感じませんでした。
翌日、大腿四頭筋のある前側全体にじんわりとした痛みを感じます。あきらかに前日の下山時のような激しい痛みとは違っています。
膝の方は曲げ伸ばしをする際に膝全体が痛みが残っていますがそれほどではありません。
指で押してみると、膝の外側の裏側と内側の前方に痛みを感じます。
こうした痛みのある場所について調べてみると、外側の痛みは腸頸靭帯のようです。
そして内側の痛みは鵞足(がそく)のようです。
腸頸靭帯痛
腸頸靭帯とは骨盤から膝の下まで伸びているもので、理学療法士の冨山信次氏によれば、ほとんどの靭帯と比べると細くて線維数が多く、腱のようにコラーゲン線維が多く存在するなど、「腸脛靭帯は靭帯のような名前で、腱のような線維で構成され、厚みをもった筋膜様組織という正体の掴みにくい構造体となって」いると述べています。
そしてその役割として次の3つを挙げています。
靭帯としてみた腸脛靭帯
腸脛靭帯が特徴的なのは、股関節と膝関節という大きな2つの関節をまたいで付着している点です。
腸脛靭帯の靭帯としての役割は、股関節の内転・外転などの動きを制動し、股関節と膝関節を連動させて安定させることです。
腱としてみた腸脛靭帯
腸脛靭帯は長い腱であるため、アキレス腱と同様にバネの作用を持っています。
筋膜の集合としてみた腸脛靭帯
腸脛靭帯の筋膜としての役割は、大腿部の近くでは多くの筋と連結して筋肉の伸張を助けたり筋肉の形状を保ち、遠い膝近くでは筋膜としての機能よりも、腱や靭帯としての役割を果たしています。
以上をまとめると、腸脛靭帯は伸びすぎないことにより股関節が安定し、動作時にはバネの作用によりエネルギーが効率よく使えます。
そして緩みすぎた靭帯や腱がその役割を果たすことができないように、腸脛靭帯がある程度のかたさを保つことが重要であるということです。
ただし、過度にかたくなることも好ましくないとも指摘しています。
腸脛靭帯がかたくなるのは
また、腸脛靭帯がかたくなる理由として、腸脛靭帯はコラーゲン線維が多い組織で、水分含有量が少ないとかたくなります。腸脛靭帯のかたさは、線維間の水分含有量という要因と、筋肉が収縮して短くなるという要因によって起こります。
腸脛靭帯が炎症を起こす原因
腸脛靭帯は膝の曲げ伸ばしに伴って大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか。膝の外側)の上を移動するため、摩擦をくり返し圧迫ストレスが生じることで腸脛靭帯に炎症を起こし、膝の外側に痛みが発生します。
腸脛靭帯炎が発症するリスクは、「1回の圧迫によって生じる負荷の大きさ」と「その圧迫が起こる回数」の2つの要素があり、そこに「大腿骨外側上顆の突出具合」などの個人差の要因が重なってきます。
圧迫回数は運動時間の長いランニングやサイクリングでは大きな要因となります。
腸脛靭帯炎発症の原因となる腸脛靭帯の緊張には2つの要因があります。
- 動作中、股関節内転や膝の屈伸に伴い腸脛靭帯が伸ばされること
- 水分含有量の低下や筋肉の収縮に伴って腸脛靭帯がかたくなること
以上が、冨山氏による説明でした。
※なお、上記は次の記事の一部を要約しました。一般的な言葉に置き換えているため、正確な情報を知りたい方は以下の原文をご確認願います。
腸脛靭帯って実際には何なのか?どんな役割があるのか? | XPERT
腸脛靭帯は固くなるのか?その硬さ、どう評価するのか? | XPERT
鵞足炎
鵞足を調べると、「鵞足炎」の記事ばかりでした。それだけ困っている人が多いということでしょうか。
どの記事も同じようなことが書かれていたので、簡単に要約します。
鵞足とはなにか
膝の内側には、縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様筋(はんまくようきん)と4つの細い筋肉が集まって骨に付着しており、その部分が鵞鳥(がちょう)の足のように見えることから鵞足(がそく)と呼ばれています。
鵞足炎
この鵞足部にある滑液包に炎症が生じる状態が鵞足炎です。
原因は腸頸靭帯と同じで、膝の曲げ伸ばしにより摩擦をくり返し圧迫ストレスが生じることにより起こります。
なお、いつまでも痛みが取れない場合は病院で診察を受けることをおすすめします。素人が勝手に診断しないようにお願いします。
対策方法
「登山で膝痛が起こる原因・7つの対策!トレーニングと膝サポーターが有効 | てくてく登山」に対策が紹介されていたので、やってみようと思います。
その方法とは
1.体重を適正に保つ
これは、体重の重い人は痩せろということでしょう。とりあえずわたしはクリアしていますが、難しいことを言いますね。
2.正しいパッキングをする
重たい荷物をたくさん背負う場合には必要かもしれません。重たいものは上にしてバランスよくパッキングしなさいということでした。背中側に重たいものを入れるというのもあります。
3.筋力トレーニング
中高年になるとこれがなかなか難しい。定年後は時間があるのでちょくちょく山に行くのが良さそうです。
とりあえず、亡くなった森光子さんみたいにスクワットでもやって大腿四頭筋を強化するのがよさそう。
それと、膝の痛みとは直接関係ありませんが、中高年は体幹を鍛えることも重要です。バランスがとれずにふらふらしていたら滑落ということも起こり得ます。
4.装備の軽量化
ここはお金をかけて軽量化を図るべきですね。
5.関節の柔軟性を上げる
歩き始める前後のストレッチと日常的なストレッチは必須。とは思いながらなかなかできないのが実情でしょう。がんばりましょう。
補助的なグッズ
6.登山用のストックを使用する
まだ使ったことがありませんが、かなり膝が楽だそうです。2本使いがいいと友人の登山愛好家がいっていました。
7.膝サポーター・機能性タイツを使用する
膝サポーターはもっているので使えばよかったかな。機能性タイツも使ってみたいと思います。
根本的な歩き方の改善
以上、日頃から筋肉を使い、登山がオーバーユースにならないようにすることがよいということがわかりました。
そんな中、ほかとは違う記事を見つけました。
それは、「登山者の最大の身体トラブル「膝痛」。その原因は、大腿四頭筋の負荷軽減で改善できる! YAMAYA - ヤマケイオンライン / 山と渓谷社」」という記事。
こちらの記事では、膝に負担がかかる歩き方で山を下っていませんか、というドキッとすることが書かれていました。
もう、昔から山を歩いていて、「歩き方なんてわかっているよ」と思って読んだら、これがまったく出来ていなかったことに気づきました。
「昔は若かったからあんな下り方でも大丈夫だったんだな」ということです。
筋肉が衰えてきたら、基本に忠実にやらなければダメなんだとつくづく思い知らされました。
心当たりのある方、いませんか?
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
昔からやっていると、つい、昔にやっていたことが今でもできるだろうと思っていたりします。
そのことになかなか気づけない。そして気づきたくない思いもあるのかもしれません。
丹沢でも滑落事故が増えているそうです。
自転車のスタンディングの練習をしていると、体が熱くなって汗が出ます。ただ、立つためだけにです。
つまり、バランスをとって立つということは体幹の筋肉を使っているのです。インナーマッスルです。歳をとって体がふらつくのはこの筋肉が弱っているのです。
このことは、滑落の原因と関係があるような気がしています。
スタンディングも練習を続けているうちに少しずつ止まっていられる時間が伸びてきています。体幹が鍛えられてきたのだと思います。これは、自転車でまっすぐ走ることともつながっています。
こういうことが分かってくるのもなんだか楽しいです。
人生まだまだ面白いことがありそうです。
では、このへんで
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