令和2年11月19日木曜日、初冬の暖かい日差しの中、大山登山をしてきました。
平日だというのに、伊勢原駅前のバス乗り場には長蛇の列。これが休日だったら大変な人混みになっているだろうと思うと、「コロナだ、三密だ」なんて関係ないと思われるような賑わいです。
けれど、自分もその一人なので文句も言えない。
さて、そんなことで今回は大山詣りのお話です。
【目次】
大山講
江戸時代中期から後期にかけて「大山講」なるものが大流行りだったそうです。
「講」とは、ウィキペディアによれば「同一の信仰を持つ人々による結社である」とあります。
どのくらいの人が大山講により大山に詣でたのでしょう。
産業能率大学地域マネジメント研究所の「大山講 歴史と文化 - 知る | 丹沢・大山 歴史街道ものがたり デジタルアーカイブ」というサイトによると、
江戸時代、大山登拝は一般的に大山講によるものが中心であった。この大山講による大山参りは、江戸時代中期から後期にかけて最盛期を迎えるが、これは家康による慶長の改革で坂本や蓑毛に降りた修験者などが、その後、御師として広く布教活動を行い、各地に大山講を形成し、結果として自らの力で檀家集団を組織化したことによる。
(中略)
こうした講は、最盛期の宝暦年間、年間20万人が参詣に訪れたとされている。なお明治20年の阿夫利神社による調査では、信徒およそ50万戸で、1年に5万人が参詣したとされる。
ということらしい。年間20万人が参拝に訪れていたなんてすごいですね。
この大山講は「大山詣り」という落語にもなっています。
江戸の長屋に住んでいるものたちで、大山詣りに行くことになります。
大酒飲みで酒癖が悪く、すぐに喧嘩を始めて暴れてしまう熊さんを連れて行きたくない長屋の連中が長屋の用心のために残ってくれと言います。
しかし、熊さんがぜったいに暴れたりしないのでなんとか一緒に連れて言ってくれというので、もし暴れたら丸坊主にするという約束で連れて行くことにします。
無事、大山に参拝して帰る途中、最後の神奈川宿で気が緩んだ熊さんは大酒を飲んで大暴れ。寝込んでしまった熊さんを皆で丸坊主にしてしまいます。
翌朝、まだ寝ている熊さんを残して、一行は江戸の長屋に帰ってしまいます。ところがそれ気づいた熊さんの逆襲がそこから始まる、という噺です。
大山講による参詣は、その道中が江戸庶民の娯楽の一つになっていたようです。
現在、登山口には先導師と書かれた看板をよく目にします。これは、もともと修験者だった者らが参詣者の道案内をし、坊に宿泊させたことからそれが旅館になっていったようです。
大山詣りの登山コース
表参道を登って行くのが一般的な参詣のコースです。
今回はこのコースを登って行きます。
小田急線伊勢原駅前のバス停から大山ケーブル行きのバスで30分程。その半分くらいからどんどん山の中に入っているという感じになります。川沿いの道にでると昔ながらの店が立ち並び、旅館も多くあります。
登り始めると、ケーブルカーの駅まで石段が続きます。両側にはおみやげ物屋や名産の大山どうふの店などが並んでいます。
15分ほどでケーブルカー駅に到着。軽装の人はみなそちらに向かっています。ケーブルカーは阿夫利神社下社まで通っています。
阿夫利神社は雨乞いの神としても知られ、別名「雨降山」とも呼ばれます。「あめふりやま」が「あふり(阿夫利)やま」となったようです。
ケーブルカーには乗らず歩いて行くと、石段はコンクリートではなく、昔のままの石を使った道になり、男坂と女坂とに分かれます。今回は女坂を行きます。
女坂に七不思議。
紅葉が見頃です。
その一は気づきませんでした。
いい感じの石段です。
何事も一心に集中努力すれば実現できる、そうです。
この菩提樹は2代目だそうです。
紅葉が赤く輝いています。
ここはよくポスターにもなる大山寺の石段です。
石段の途中です。
大山寺の本堂。ここに自転車・バイクの輪っかのお守りが売っていました。800円でした。
3mほどの橋です。
潮騒の音が聞こえるとありますが、相模湾の潮騒でしょうか。
大山寺の上からはすこし傾斜がきつくなります。
ケーブルカーの脇を登って行きます。
男坂と女坂の合流地点に着きました。
阿夫利神社に着きました。見事な紅葉です。
始めて登った50年前からいまもここに売店があります。売店というかお休みどころですね。いつ頃からあったのでしょう。
下社本殿のあるところから相模湾の方を見渡せます。きょうはもやがかかってよく見えませんね。とても暖かい日です。
本殿の前に飾られていた菊。本殿の写真は撮り忘れました。なお、今日はセンサーのゴミがとれたコンデジで撮影しています。逆光(ほどでもないのに)に弱くてフレアが出てしまいます。
ここから上は天狗のいる世界?
バスを降りてから下社までは約1時間。ほとんどの人はここから下山します。
この鳥居を潜って頂上を目指します。頂上まで90分と書かれています。
ここは天国? に続く道の2丁目です。
最高に気持ちがいい登山です。
夫婦仲良く。
やはり天狗はいるようです。
さすが多くの人が来るだけによく手入れされた参道です。
今日は富士は見えません。
頂上手前でヤビツ峠からの道と合流します。(スマホの方が逆光に強い)
この銅の鳥居をくぐれば頂上はもうすぐ。
到着です。
頂上に阿夫利神社上社があります。
ここで参拝。
大山は標高1252m 、遠く相模湾や東京方面まで見渡せます。
本来なら江ノ島が見える方向だと思うのですが、霞んでいます。
下りは同じ道を引き返す他に、ヤビツ峠に下る道、日向薬師に下る道、そして厚木の不動尻に下る道があります。
もう一本北に伸びている尾根を行く道がありますが、こちらは丹沢の奥深くに向かう道で、まだ通ったことがありません。
ヤビツ峠は最近はロードバイクのヒルライマーたちに人気で(いつかは挑戦するぞ!)大勢走っているのを見かけます。ここからは秦野駅までのバスがあります。
不動尻に下る道は尾根伝いに下っていき、途中から急な右斜面をくだります。
今回は日向薬師に下る道を通ります。ここ見晴台から阿夫利神社下社を通って下ることもできます。
ここが見晴台。
見晴台からの景色。こちらは横浜方面でしょうか。
見晴台から真っ直ぐ下って行くと、ヒノキ林の気持ちがいい道になり、その先からは急な斜面で、九十九曲りと名前のついた道をジグザクに下っていきます。
すると、下から沢の音がだんだんと大きく聞こえてきます。いったん林道をまたぎ、少し下ると一本橋があり、そのさきに日向薬師につづく林道にでます。
この矢印の方にいきます。ここから日向薬師バス停までは25分でした。
今回歩いた道どり。
まとめ
下り始めてすぐに膝の周りの筋肉が痛み出し、筋肉の衰えを感じました。無理せずゆっくりと歩いたのですが、それでも標準時間のとおりでよかったです。
若い頃に比べて運動量が減っているので、しっかり筋肉を鍛える必要があると感じます。
日本百名山に挑戦するためには、ちょこちょこと山に出かけて鍛えるようにする必要があると痛感しました。
今回の参考ルートはこちらのサイトからどうぞ。
散策マップ | 大山観光電鉄 | 大山ケーブルカー公式ホームページ
アクセスはこちら。
(出典:丹沢・大山安全登山マップ | ヤマケイオンライン / 山と溪谷社)
最後に
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回コンデジのカメラテストも兼ねて行いましたが、センサーのゴミ問題はクリアしているようです。ただ、すこしフラット気味(モノクロ時代のレンズで撮ったみたい)なので、少し設定をいじってみようと思います。
また、今回履いたダナーライト ですが、ビジネスシューズで使っていたインソールを入れてみたところ、フィット感がましました。
さらに皮なので汗も吸ってくれていい感じです。しばらくこのインソールで使ってみようと思います。
ちなみにインソールはこんなのです。