だいぶ昔にアウトドアを経験した方が
これから再びアウトドア・ライフを楽しもうとしたとき、あるいは
アウトドア初心者が
まず揃えたいのがお湯を沸かせる道具じゃないかと思います。
野外でお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり
山に登ってラーメンを作る。
そんなときに必要なのがコンロです。
昔は灯油とかホワイトガソリンなんかを使っていましたよね。
それに比べお手軽なのがガスのコンロです。
実はこの呼び方、どうもスッキリしないんです。
昔はストーブと読んでいましたよね。
でも、ストーブだとヒーターのことかと思ってしまう。
また、昔流行ったコールマンのツーバーナーに対して、
シングルバーナーという言い方もあります。
なので、ここではガスのコンロはガスバーナーと呼ぶことにします。
さて、ガスバーナーの他にもお湯を沸かすことのできるコンロの燃料には、先ほどの灯油やホワイトガソリン、それにアルコールや固形燃料などのものがあります。
それぞれ長所や短所があるのですが、扱いの簡単さではガスが一番です。
そのあたりのことは、いずれ機会がありましたら比較してまとめたいと思っています。
ということで、今回はガスバーナーを選ぶ際に知っておきたいガスカートリッジのタイプ(カセット缶とOD缶)について整理したので参考にしていただけたらうれしいです。
なお、バーナー部については次回にお伝えできたらと思っています。
【目次】
CB缶とOD缶のガスの中身って違うの?
ガスバーナーに使用する燃料は、CB缶と呼ばれるカセットボンベとOD缶と呼ばれるアウトドアボンベの2種類があります。
ガスバーナーって割と昔からあるのですが、昔は野外用にはOD缶仕様のものしかありませんでした。
そして、OD缶には寒冷地用と通常用との2種類がありました。基本それは今も変わりません。
それが現在はCB缶仕様のものがたくさん出てきています。
このボンベによる違いはあるのでしょうか、
また、その中のガスに違いはあるのでしょうか。
そんな疑問が湧いたので、アウトドア用品を扱っているモンベルのお店の方に聞いて見ました。
すると、ガスには3種類あって、そこに含まれるガスの種類や割合が違っているとのことでした。全く違うガスが入っていたわけではないのですね。
その3種類とガスの特性
【Propane(プロパン)】
沸点は-42.1°Cで3種類のLPGの中で最も低く、-40°Cでも着火が可能です。3種類の中で蒸気圧が最も高いため高出力で燃焼させることができます。反面カートリッジの内圧が非常に高くなるため、混合率には限界があります。
【Iso butane(イソブタン)】
沸点は-11.7°Cでノルマルブタンより低く、-10°Cでも着火が可能です。蒸気圧はノルマルブタンより高いため安定した出力で燃焼し続けることができます。
【Normal butane(ノルマルブタン)】
沸点は-0.5°Cで3種類の中で最も高く、氷点下での正立システムには不向きです。カートリッジ内圧が一番上がりにくいため、3種類の中では最も安全性の高いガスです。
(スノーピーク公式サイトより引用)
このうち、気化するのが早いのは、[プロパン>イソブタン>ノルマルブタン]の順になります。
イソブタンは高い蒸気圧をもつので、通常使用においてボンベ中にガスが残留することがなくなるということです。
だから、寒いところでイソブタンの含有量の少ないカートリッジを使うと、初めはよく燃焼しますが、だんだん火力が弱くなって消えてしまい、ガスボンベの中にガスが残ったままになってしまいます。捨てる際には爆発事故を起こすことがあるので、気をつけましょう。
以上がガスの種類と特性でした。
では、カセット缶とOD缶の中身はどうなっているのでしょうか。
カセット缶の通常スーパーなどで売っているものは、主成分がたいていLPG(液化ブタンガス)と書かれています。これだけだとイソブタンなのかノルマルブタンなのかが分かりません。でもまあ、ノルマルブタンだけだと考えた方が良さそうですね。
カセット缶にもプレミアムのものがあり、これが寒冷地用に相当するのですが、プロパンが入っている「SOTOパワーガス」というものがありました。
次がイソブタン95%の「UNIFLAMEプレミアムガス」がよさそうです。その他、イソブタンを含むというものに「UNIFLAMEレギュラーガス*」「スノーピーク ギガパワーガスCBイソ」というのがありました。
*UNIFLAMEレギュラーガスにははっきりと表示されていませんが、プレミアムガスの説明を読むと30%程度入っていると思われます。
これに対し、OD缶の方は、寒冷地仕様のものにはプロパンとイソブタンが入っていて、寒冷地仕様ではない暖かい時期用のものでもイソブタンが入っていました。
つまり、OD缶の暖かい時期用とカセット缶の寒冷地仕様とがほぼ同じようなカテゴリーになると考えて良さそうです。
寒さに強く火力も強いのは、[OD缶寒冷地用>OD缶暖かい時期用・CB缶プレミアム>CB缶レギュラー]というようになります。
ガスの含有量が明記されているところが少ないので、比較がちゃんとできないのですが、以下に一覧表を載せておきます。
以上のことから、暖かい時期はどれを使ってもOK。寒い時期にはOD缶かCB缶のプレミアム、もっと寒いときにはOD缶の寒冷地仕様を使えば良いということになります。
ガスガートリッジの形による違い
ではつぎに、形による違いです。
大きさは250gのものが通常サイズで、どちらも120gくらいの小さいものがあります。
OD缶にはさらに通常の倍のサイズのものがあります。
OD缶はその上にバーナーをねじ込めばそれで使うことができます。
これに対しCB缶は細くて立てたまま使うことができないため横にして使います。
このため、バーナーの取り付け部分の形状が違っています。
ここについては、また改めてお伝えすることにします。
入手のしやすさなど
ガスバーナー選びで大切なことのひとつに、ガスボンベの入手のしやすさがあげられると思います。
まとめて買って家から持っていくのならどちらのタイプでも構いませんが、長期旅行などで使う場合で山用品のお店がないところに行くときは、カセット缶のタイプの方がボンベを入手しやすいです。
実際、自転車日本一周ではコンピニやスーパーなどでカセット缶を買って旅を続けました。OD缶のボンベを買うのは営業時間内にそのお店に行かなくてはならず、行動が制限されます。
ただ、ネットで注文して購入する方法もありますが、回数が多くなるとそれも面倒。
相対的に価格が安いのはカセット缶の方ですが、性能を考えるとOD缶が高いとも言えないようなので、やはり用途によりますね。
厳寒の地で使うときだけはOD缶の寒冷地仕様を選ぶべきだということがいえそうです。
モンベルの店員さんは、近くで売っているガスボンベに合わせてバーナーを選ぶのもいいと言っていました。
なお、爆発するのではないかと心配の方、ボンベが熱くならないように気をつければ問題はないと思いますよ。それでも心配な方はOD缶のほうが丈夫に作られているので安心かと思います。
最後に裏ワザです。
実は、こんなものもあります。
CB缶からOD缶に中身を詰め替えたり、OD缶の残りをOD缶に写したりすることができます。
わたしは使ったことがありませんが、バイクで日本一周中の若者が使っていました。問題なく使えていました。なかなか便利ですね。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
CB缶もプレミアムは普通に売っていないので、その点が困りものですね。
昔は寒いときはホワイトガソリンのピーク1というコールマンの製品を使っていました。寒いときでもあの火力はすごかったです。ポンピングが大変でしたが。しばらく使わなかったら管が詰まってしまいました。
そういえば、ガスの場合でもカスが詰まることがあります。だから、あまり無名の安物には手を出さない方がいいと思います。
わたしも自転車旅に持って行ったガスバーナーが途中で詰まって使えなくなりました。もうあと少しで旅が終わるところだったのに。
では、このへんで
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