世間では、デジタル化の推進が叫ばれて久しいですね。
デジタル化社会になるとどう変わるのでしょうか?
雑誌などでは、デジタル化社会で生き残る職業やコンピューターに置き替わられる職業など、特集を組んでいたりしました。
そんなふうに不安を煽られていますが、あなたはどのように考え、行動していますか?
今回は、これからのデジタル化社会に適応して生きていくためにはどうしたら良いのか、について考えていきたいと思います。
ちなみに自分にも向けてこの記事を書いています。
【目次】
デジタル化社会
令和2年9月、内閣総理大臣が安倍晋三氏から菅義偉氏に代わり、デジタル改革担当大臣が創設されました。
就任した平井卓也大臣のホームページによれば、
新設されるデジタル庁は、役所の縦割りを打破することを目的に、省庁や自治体の垣根を越えてデジタル化を実現する組織です。コロナ禍において、10万円申請の際の不具合や、医療、教育の場でもオンライン化の遅れが指摘されました。それらを解決するための人間中心のデジタル化であり、菅総理肝入りの看板政策です。全ての国民がデジタル化の恩恵を享受できるよう全力で取り組んで参ります。
と書かれています。
国民がデジタル化の恩恵を享受するとはどんな社会なのでしょうか?
平井大臣の大臣就任以前の発言から予想されるのが、
- 行政手続きのオンライン化
- シェアリングエコノミーの推進
- 自動運転の社会実装
- 農業や港湾物流、健康医療分野のデータプラットフォームの構築
そして、デジタル化の推進には個人の認証が必要となりますが、これにはマイナンバーカードによるマイナンバーでの本人確認が行われることになるでしょう。
ちょっと難しい言葉が出てきましたね。
シェアリングエコノミーとは何でしょう。
物・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組み。自動車を個人や会社で共有するカーシェアリングをはじめ、ソーシャルメディアを活用して、個人間の貸し借りを仲介するさまざまなシェアリングサービスが登場している。シェアエコノミー。シェアエコ。共有型経済。
(出典:小学館/デジタル大辞泉)
というようにシェアできるものはどんどんシェアしていきましょうということみたいです。
データプラットフォームとは、これを解説したものが見当たりませんでしたが、いくつかの情報を合わせると、次のようなものだと思われます。
- 一人ひとりの属性データや行動データを収集し、蓄積したデータベースを統合して複数のソースからデータをまとめて確認でき、適切な権限を持つユーザーがデータを活用できる基盤となる環境。
なんかちょっとわかりにくいですが、コンピュータの得意な仕事のようですね。
ともかく、こういったことを推進していくと思われますが、これらに共通するのは、国民の生活が便利で快適になるということです。
古来より人間が便利さを求めて社会が発展してきていることを考えると、こうしたデジタル化の流れはますます速度を増して進展していくものと考えられます。
もちろんこれは日本だけに限ったことではなく、先進国と言われている国はこうした流れの中にあります。
デジタル化社会にどう対応したらよいか
しかし、国民の大半がデジタル化の恩恵を受けられるようになる代わりに、社会は大きく変化して行かざるを得なくなります。
今回の新型コロナ感染症では、急激にオンライン化が進み、働き方も大きく変わってきています。このような変化が今後も続くと考えられます。
ところが人は、変化を好みません。変化を恐れる傾向があり現状維持を望みます。便利にはなりたいけれど急激な変化は望まないという矛盾を抱えているわけですね。
このとき、すぐに変化に対応する人といつまでも現状維持のままでいたがる人に分かれてきます。
けれどいずれはこの変化に対応せざるを得なくなるでしょう。それが遅すぎると取り残されていいポジションは残されていないことになってしまいます。ですが、逆にあまり先走ると変化の方がついてこられないこともあり、タイミングがとても難しいところです。
いま「デジタル化なんて分からない」、あるいは「個人情報の流出が怖い」といって現状維持でいるとしたら、とりあえずここで一度、自分の仕事や会社の将来について考えてみる必要があるのではないかというのが、今回の記事のわたしの主張です。
もちろん、年齢も大きく関わってくることでしょう。けれど考えた上で今後どのように行動するのかを自分自身で決めて欲しいのです。そうやって主体的に生きていくことが大切だと考えているからです。
いずれにしても、デジタル化の波は止められません。個人情報の流出が怖いといっても、初期には多少不安はありますが、世のコンピュータのシステムは、問題が起きてその都度改善し、そうやって徐々に強固なものになっていくものなので、これは、コンピュータソフトに限ったことではなく、乗り物の安全対策などと同じです。
といっても事故は起らない方がいいですし、当然、チェックできるところはチェックしていくべきですが、まずは自分でできるとことはしっかりと対策を取るべきで、こうした情報リテラシーについても学んでおかないと、悪意のある人たちからカモにされてしまいます。
考えるヒント
では、考えるためにコンピュータの得意な仕事と人間の得意な仕事を整理してみましょう。
コンピュータの得意な仕事
- 物事の記録や整理・整頓と情報化
- 手間のかかる定型的な仕事のソフトウェアによる置き換え
- 複雑な計算や分析
- 伝達の量と速さ
人間の得意な仕事
- 考えることや仕組みを理解したり解釈したりすること
- 物事を抽象化したり具体化したりすること
- 仕事や対象をモデル化したり、自動化、最適化すること
このほかにもあると思いますので考えてみてください。
これらの得意な仕事を総合的に判断して自分の将来・未来を決めていくことが、これからのデジタル社会を上手に生きていくために必要なことだと考えます。
情報化について
前述したそれぞれの得意な仕事についてもうすこし細かく考えたいと思います。
コンピュータの得意な情報化とはなんでしょうか。
そもそも情報とはなんでしょうか。
情報とはいろいろな説明があり、明確な定義は無いようです。
はっきり言えることは、情報とは形のないものであること。
コンピュータが扱うのはデジタル情報であること。
このデジタル情報の特徴は、数値データであり、保存可能であり、コピーしても劣化が少ないということ。
そして、計算することができて情報を変化させることができ、さらにこの情報を利用するのにほとんどお金がかからないのが特徴。
これに対し、人間が扱うのはすべてアナログ情報になります。
アナログ情報は、連続した物理量で表される情報で、アナログ情報の伝達と記録はメディアに依存している。
アナログ情報の記録媒体は物質であるため、時間とともに変質し情報の質も劣化してしまう。
現在の情報化社会を支えているのは、デジタル情報とネットワークであり、おそらくその中で一番大きなものはインターネットではないでしょうか。
では、わたしたち人間が得意な仕事はなんでしょうか。
まずは考えること、思考することです。
ただし、根拠を明らかにし、順序立てて物事が説明できる論理的な思考が求められます。演繹法とか帰納法とかいうやつですね。
それに加え、これまでに得た体験や知識を整理して、それらを組み合わせ、ものごとを抽象化したり具体化したりしながら考えや仕組みを理解・解釈すること。
そうした様々な考えや知識を組み合わせて仕事や対象のモデル化(物事の仕組みや概念を分かりやすく示すひな形)や自動化、最適化が行えるということが人間の強みであると言うことになります。
以上、こうしたことを踏まえて、これからのデジタル化社会に適応しながら明るい未来を設計していくことができたら、後から後悔しない生き方ができるのではないでしょうか。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ちょっと堅苦しい話になってしまいました。
しかし、いまが変化の潮目ではないかと考えています。
こうしたことを一度ちゃんと考えておくと悔いのない人生が送れるのではないかと考えました。
なお、今回参考にしたのは、記事中で紹介した以外では、淑徳大学 斎藤鉄也教授の大学での講義ノートと
「アナログ情報とデジタル情報」というこちらのサイト
https://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/projects/2001ipl-text/info-2001-4/text-b/anadejiframe.htm
によります。
では、このへんで
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