2019.5.10　PART Ⅰ 奥の細道と東北の旅（自転車日本一周12日目）

5月10日(金)、晴れ　石巻市（大川小往復）　67.16キロ

朝、テントを撤収して公園の神社に参拝していたら、地元の方に声をかけられてラジオ体操にお呼ばれしました。なんだか楽しい集まりで、順番で号令かけもやりました。終了後、一人の方と立ち話で長話。すっかり仲良くなりました。

その方は福島の方で、仕事で石巻の復興の手伝いをしていて、もう長くアパートを借りているそうです。「今日はこれから大川小に行ってこようと思っているんです」と話すと、そこまでの道順を教えてくれて、イギリス人が館長の情報交流館にも行って見るといいと教えてくれました。そしてそこまで案内までしてくれました。

行ってみると、まだ時間が早くて空いていません。その方はまた、津波で被害を受けたという、さっき一緒にラジオ体操に参加していた方から話を聞くといいと勧めてくれました。なかなかない機会なので興味が湧きました。その方に連絡をつけておいてくれるというので、後で電話することにしました。

さて、大川小学校跡地に向かいます。少し小さな川を越えてT字路を右折すると、左に大きな川が見えます。北上川です。川に挟まれた道を走ります。石巻は川が多いですね。そして大きな空と緑。風は追い風でとても気持ちがいいです。

乗用車はほとんど通らないのですが、工事のトラックがたくさん行き来しています。復興までの道のりは遠いようです。

東日本大震災で多くの子どもが亡くなった大川小学校の現場はむごたらしく、言葉になりません。ここで一句残します。

　　　大川小跡地に小(ち)さき鯉のぼり　

石巻までの戻り道は、今度は向かい風でなかなか進みません。

昼食は、通信大学のときの友人の親戚がやっているという駅前の食堂へ。社長はいらっしゃらなかったのですが、なんと店員さんが呼んでくれていました。ご挨拶して一緒に写真を撮って、友人に送ると喜んでくれました。こんなことができるのも旅をしているから。いい思い出になります。その後情報交流館で石巻の歴史を勉強。

福島の方が紹介してくれたのは不動産の会社を社長さんでした。夕方、指定された場所に行ってみると、窓が大きく明るい綺麗な事務所です。到着すると若い女性が出迎えてくれます。社長のお嬢さんだそうです。そしてご主人は自転車のロードレースで活躍している方だそうで、続いて出て来て「自転車に不具合はないですか、あったら直しますよ」と言ってくれました。古い自転車が珍しいらしく、たくさん写真を撮っていました。

社長の話はとても面白く、それまで日和山の海側に事務所と住居があり、もろに津波にやられたそうです。被害状況についてはすべて写真で記録されていました。幸いにもご家族はみな無事だったそうです。おみやげにキャンディーを二袋もくれました。

そこを辞したあと、また日和山に行こうかとも思いましたが、すこし進んでおくことにします。ところが予定していたところは門が閉鎖されていました。急遽野営地を探し、暗くなって河原に到着。ライトをつけてのテント設営です。残念ながらあまり良い場所とは言えませんでした。

では、このへんで。