自転車日本一周の途中で骨折し、療養中にロードバイクが欲しくなったことは以前書きました。
その後、どうしたのかって?
もちろん買いました。旅が終わるのを待ちきれずに。
骨もまだ完全についていない昨年8月、旅を再開するまでのトレーニングのためと理由をつけて、ローラー台と合わせて買っちゃいました。
買ったのは、スペシャライズドのRoubaix Sport 。
今回は、このバイクを買うまでにどんな行動をしたのかをお話しすることにより、これから初めてロードバイクを買うときの参考にしてくれたら嬉しいです。
Roubaix Sport の乗り味はって?
残念ながら他のバイクに乗っていないので比較できません。悪しからず。これからポジションの変更はする必要があると思っていますが、満足していますよ。
【目次】
初めてのロードバイク選びで私が行ったこと
1 予算とこだわり
予算については、105のコンポがついていて初心者向けのバイクということで探しました。すると、大体15万円〜ということがわかります。まあ、ひとまず税込で20万円以内で探すことにしました。
知らない方のために105(イチマルゴ)のコンポについて説明すると、コンポというのはコンポーネントのことで、前後の歯車と変速機、それにブレーキがバランスよく組み合わされたもの。これにはランクがあり、105というのはシマノ製コンポのなかの中間になります。ランクが高いとより軽量。105以上は互換性がありパーツごとにグレードアップできるため、全取っ替えしなくて済むので経済的でもあるのです(グレードアップしたい人にはね)。
こだわりというほどのものではないのですが条件をつけます。
それはショップで買いたいということ。中にはネットでしか買えないバイクもあります。初心者なので、お店の人の意見が聞きたいし、それに初心者向けの週末ライドをやっているところで買いたいというのが条件です。
さらに言えば、現在30年ほど前のMTBを持っていて、これがクロモリ(クロモリブデン鋼=鉄)なので、材質はクロモリ以外が欲しかった。カーボンは値が張るので、予算上アルミでいこう(しかない)と考えました。
2 候補選び
候補選びは、まず、どんなメーカーがあるのかネット検索。また、けんたさんのYouYube動画なども参考にしました。近くのバイクショップにもいってみました。そうして、良いと思ったものが、近くの店舗で買えるかどうかで絞り込み、最終的に候補にあげたのが、見た目と値段で選んだ次の6台。本体価格が14.5万円から16.9万円のものでした。
なお、この候補選びは昨年2019年7月頃の話です。古くて申し訳ないのですが、だいたい2020年モデルが出揃った時期になります。
(1)Bianchi VIA NIRONE 7
(出典:ビアンキ公式HP http://www.japan.bianchi.com/)
(2)Specialized Allez Elite
(出典:スペシャライズド公式オンラインストアhttps://www.specialized-onlinestore.jp/shop/)
(3)Scott SPEEDSTER 10
(出典:スコットジャパン公式HP https://www.scott-japan.com/)
(4)MERIDA SCULTURA 400
(出典:メリダ公式HP https://www.merida.jp/ )
(5)corratec DOLOMITI R7000 105
(出典:グローブライド コラテックHP http://www.corratec-bikes.jp/index.html)
(6)COLNAGO A2-R
(出典:コルナゴ公式HP https://www.colnago.co.jp/index.html)
3 スペック
次に行ったのが、スペックの確認です。各HPからスペックを抜き出して一覧表を作成して比較してみました。コンポは105を基準に選び出していますが、実はクランクやブレーキなど一部別のメーカーや違うグレードのものが使われていることがあります。
それは、一つは価格を下げるためですが、もう一つ分かったことは、BB(ボトムブラケット)というペダルで回すクランクの中心部を収める部品がメーカーオリジナルのため、クランクセット(前の歯車とクランクが一体となったもの)もオリジナルなものになっているものがあるということです。
そしてアルミにも種類があるようですが、どのアルミが自転車に適しているのかは残念ながらよくわかりません。また、アルミに限らず、フレーム剛性があるかどうか(硬いのかしなるのか)など違いがあるはずですが、このあたりはデータが公表されていないようです。
まあ、車でもそんなデータは見当たらないので仕方ないです。硬い柔らかいは乗る人の体重や乗り方でも違ってくるのでしょうね。
知っておくべきなのは、軽さと強度を両立させるのは難しいということです。だから軽さだけでなく、自分の乗り方にあったバランスの取れた自転車が一番いいということになります。けれど、それも自分の乗り方が安定するようになってからの話。
ではまず、共通しているパーツから見ていきましょう。
フレーム・フォーク
フレームはすべてアルミ。メリダはlight-single BSAって書いてあるけどアルミだそうです。フォークはどれもカーボンです。カーボンで腕への衝撃を少なくしようとしているのでしょう。
ディレイラー
ディレイラー(変速機)は前後共にSHIMANO105で、シフター(シフトレバー)も105です。
次に、異なっているところは以下のパーツです。
クランクセット
Allez Eliteがスペシャライズド(以下「スペシャ」)のオリジナルになっていて、BBもクランクセットに含まれています。その他、コラテック以外のバイクはSHIMANO RS510となっていて、これは105互換の部品名で下のグレードのTiagraと105の部品の組み合わせらしいです。コラテックのみ105と記載されています。
歯の数は、スペシャ共に軽く回せる50−34Tのコンパクトクランクでした。なお、ノーマルクランクは52-39Tです。
スプロケット
スプロケット(リアの歯車)はすべて105ですが、歯の数が、ビアンキ、スペシャ、スコットが11-32T、メリダが11-30T、コラテックとコルナゴが11-28Tでした。32Tあると坂道が楽ですね。ただここは、それほど値が張るものでもないので後から変えやすいパーツです。
ブレーキ
最後にブレーキですが、今回候補に挙げているのはすべてキャリパーブレーキです。昨年はまだディスクとキャリバーが混交していましたが、今年はディスクが主流になった感がありますね。
さて、ブレーキに105を使っているのはメリダとコラテック。同じSHIMANOで少しだけランクが下のを使っているのがビアンキ、スペシャはオリジナルのAxis、スコットとコルナゴがTEKTRO製でした。
ブレーキは安全に関わる重要部品なのでランクは下げて欲しくないところです。メリダとコラテックは優秀ですね。
こうしてみると、全パーツ105を使っているのはコラテックだけでした。コラテックは日本ではあまり馴染みがないですね。これは近くのショップで勧められて私も初めて知りました。ドイツのメーカーで組み立ては大阪の(株)ワコーというところが行っているそうで、Japan Assemblyといって差別化を図っています。
よって、コストパフォーマンスが高いのはコラテックかメリダでしょうか。続いてビアンキ。ただ残念なのは、コラテックはケーブルが外装なんです。整備性はいいのですけど。
とりあえず、自作した主要パーツのスペック一覧表を貼り付けておきます。
https://drive.google.com/file/d/1xVgayGUjFTm7vwZI6oZrPTWYyzCud5w6/view?usp=sharing
なお、ここでスペック比較を行いましたが、あまりスペックにこだわらずに、ともかく乗り始めてみましょう。乗ることで分かってくることがあります。
ボツになった候補
はじめはトレックに決めていたんです。人のバイクをみて買うならこれだと。その次に候補に上がったのはキャノンデールです。アルミには定評があるそうです。すこし革新性があるメーカーのようです。
トレックならEmonda ALR4、キャノンデールならCAD12(このときはまだCAD13が出ていない)がいいと思ったのですが、両メーカー共にすこし割高感があるのと色の好みが合わなかったんです。
4 サイズ選び
次にサイズ選びです。ロードバイクにはいくつかサイズがありますよね。自分に最適なサイズを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。
お店の人に聞くのが一番早いですよね。ところがネットでこんな記事を見つけました。
適正サイズをはじき出せ! ロードバイクのサイズ選び講座!
http://gaagle.jp/gagazine/sp/print_kiji.php?kiji_id=5206
一応、この記事に基づいて計算をしてみようと思います。
必要なデータは
・股下長(たぶん靴を履いてだと思います)
・腕の長さ(肩のくぼみのところから中指の付け根の関節、たぶん。記事には中指のくるぶしとありあます)
・ジオメトリー(フレームのサイズ表)
・クランクの長さ(170mmが一般的)
このデータで何を算出するかというと、
・適正サドル高
・サドル座面とヘッドとの適正落差
・自然な前傾が取れる位置のハンドルまでの距離
そこで、ジオメトリーとクランク長を調べてみます。
4 ジオメトリー
ジオメトリーの一覧表を作成しました。
*上の図の一部に誤りがありましたので修正しました。(2020.9.1)
クランク長は次の通りとなりました。スコットについては不明です。
それでは実際に私の場合を例にして計算をしてみます。
適正サドル高(クランクの中心からサドル座面までの長さ)を求めます。
股下長✖️ 経験レベル係数 ➕ クランク長補正値
経験レベル係数
初級者0.87
中級者0.88
上級者0.885
クランク長補正値
170➖(使用クランクの長さ) 170mmだったら0、165mmは 5
私の場合
800mm ✖️ 0.87 ➕ 0 = 696mm
続いてサドル座面とヘッドの適正落差を求めます。
サドル高 ✖️ 0.097(身体が大きい人は0.096。これら値はざっくりだそうです)
私の場合
696mm ✖️ 0.097 = 67mm(端数切り捨て)
例えば、Bianchi VIA NIRONE 7のフレームサイズ53の場合、ヘッドチューブ長が145mm、シートチューブアングルが74度なので、
(サドル高 ➖ 600)➕ (シートチューブアングル ➖ 72)✖️ 10➖ (ヘッドチューブ長 ➖ 100)
(696ー600)➕ (74➖ 72)✖️ 10➖ (145➖ 100)= 71
となり、適正落差67mmに対して4mm 落差が大きいので4mmのスペーサーを入れれば良いということになります。ちょうど良さそうですね。
なお、腕の長さを測るのは、適正なステムの長さを求めるためだそうなので、とりあえずこれはパスすることにしました。
興味のある方は上で紹介したHPを参考にやってみてください。
なお、最終的には自分で乗って修正していく必要がありますので、ここでは購入後、調整するのに困らない(調整幅を確保する)ためという理解でいいと思います。
さて、ジオメトリーを調べたけれど、当時は上記の計算以外に役に立てられませんでした。現在も詳しくはないのですが、ジトメトリーにより自転車の性格が分かります。
よりスプリント向けなのは、
シートアングル、ヘッドチューブアングルが立っている
BBドロップが浅い(短い)
ホイールベース(フロントセンター長、チェーンステイ長)が短い
ロングライド向けなのは
シートアングル、ヘッドチューブアングルが寝ている
BBドロップが深い(長い)
ホイールベース(フロントセンター長、チェーンステイ長)が長い
ということになります。
5 ショップ探し
ショップに行って実物に触れる
家の近くにあるショップをネットで検索し、歩いていけるところに行ってみました。1軒目はほぼ10万円以内のバイクばかりで、クロスバイクがメイン。ただ、クロスバイクでしたがコーダーブルームという日本製のバイクが見られたことは良かったです。
次はキャノンデールがメインで置いてある店。CAD12はダウンチューブが太いなというのが第一印象でした。その店で勧められたのがコラテックでした。
2軒目の方は初心者向けライドを開催していました。
見えてきたショップの違い
一般向けとスポーツバイクの両方が置いてあり、種類が多い店と、専門店や専門店に近いスポーツバイクがメインの店とがあることがわかりました。これはあとから聞いた話ですが、スペシャとかトレックはたくさん売らないと取引ができないようです。だから専門店にしないとノルマが達成できないということらいしいです。自転車屋さんもたいへんですね。
スタッフの説明を聞く
2軒目の店では、なぜかキャノンデールではなくコラテックを勧めてくれました。おそらく初めてのロードバイクということを考えてくれたものと思います。ちなみにコラテックはセール対象品でした。確かに105ミックスではなくてすべてが105というのはおすすめかも知れません。
この段階で、上の6機種に絞り込みました。
そして3軒目はスペシャの専門店。ここは自転車なら12、3分のところです。そういえば家から近い順に回っていますね。
店内に置いてあるのはもちろんスペシャのみ。けれど多くの種類が置いてあります。目あてのアレーを眺めていたところ、お店のスタッフから声をかけられました。
「レースには出たりするつもりですか」いいえと答えると「では、こちらなんてどうですか」と勧められたのがルーベです。スタッフの方も個人的に乗っているそうです。
別のスタッフもやって来て、「楽ですよー、それにレースでも活躍してるんです。去年(2018年)のパリ〜ルーベで上位10名のうち5人がルーベだったんですよ」などと教えてくれます。
そうして勧められたのが、ルーベの中でも廉価な方の普通のルーベ。価格は少しだけ予算オーバーだけどカーボン。説明によるとヘッドにサスペンションが入っていて、サドルもしなることで衝撃を逃すので荒れた路面に強いこと、そしてディスクブレーキの制動性についても、「よく止まりますよ」。
心が動きます。ただ、コンポがTiagraなんですね。
ちょっと隣を見るとブルーでもかなりグレーっぽいのが置いてある。あ、この色いいな、と思い「この色いいですね」と言うと、「この色はコンポが105だけなんです」。
まとめると、レースに出るか出ないかというと出ない。長距離や荒れた路面に適していてレースでも活躍。デザインと色が気にいる。でも、かなりの予算オーバー。
最終的に決めたのは「見た目」
最終的には、お店のスタッフの意見と見た目で選びました。
フレームサイズは、お店のスタッフが身長を聞いて選び出し、そのあと実際に跨ってみました。そうして選んだサイズは調べていたアレーと同じなので安心しました。
予算はかなりオーバーしたけれど、自分の用途にはぴったりだったと思っています。もう買っちゃったからほかに言いようがないですけど。
で、Specialized Roubaix Sport はこんなバイクです。
(出典:スペシャライズド公式オンラインストアhttps://www.specialized-onlinestore.jp/shop/)
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございます。
私の初めてのロードバイク選びで行ったことはいかがだったでしょうか。
まあいろいろと考えましたが、この考えている時間も楽しい時間でした。
この記事がすこしでもあなたのお役に立てたなら嬉しいです。
最後にひとこと。
レースに出てバリバリ乗ろうとするのでない限り、そしてサイクリングを楽しみたいと思うのなら、最終的にはそのバイクが気に入るかどうか、愛せるかどうかだと思います。私も候補に挙げていなかったものを買っちゃった訳ですし。
眺めているだけで幸せな気分になれるもの、それが最高だと思います。
では、このへんで。